嶋谷 将平選手 (宇部鴻城)

嶋谷 将平

球歴:宇部鴻城

都道府県:山口

ポジション:遊擊手

投打:右 / 右

身長:176.0 cm

体重:72.0 kg

学年:卒業

短評

観戦レポートより抜粋(2016年11月6日)  そして最後に16打数10安打7打点の大活躍で、見事に優勝に貢献した嶋谷将平をもう一度ピックアップしたい。ぜひ神宮大会の前に覚えておきたい逸材だからだ。  尾崎監督も「嶋谷が4番でどしっと座ってくれたことが大きかった」と語るように、活発な宇部鴻城打線は嶋谷を抜きにして語れない。この日も市立呉バッテリーの配球の傾向を掴んで活躍を見せた。 「クリーンナップに対して変化球から入ることが多いので、スライダーが来ると読んでいました」 その言葉通り、第1打席は甘く入ったスライダーを捉えて、左中間をあっという間に抜ける適時二塁打を放った。その後も左前安打、中前安打、左中間を破る適時二塁打と大当たりであった。今大会の活躍について振り返ると、「自分は4番を打たせてもらっているので、まずどっしりと構えることを意識しています。小さく構えてしまうと相手投手に安心させてしまうので、威圧感を意識しました」  そして10安打の秘訣として、打席前の準備の大切さをあげてくれた。「打撃はタイミングが大事だと思いますので、打席前ではどの投手に対しても、どうタイミングをとればいいのか、意識しています」  これは多くの選手が実践していることだと思うが、嶋谷の場合、タイミングを合わせる技術が素晴らしい。余計な力みがないどっしりとした構え、トップからインパクトに入るまでの無駄のないスイング軌道と技術面が優れているだけではなく、打席前の準備する姿を見ると、打者として大事な姿勢が備わっている。技術、メンタルが成熟した打者で、これで本塁打を量産する技術、フィジカルが身に付いたら...と思う選手だ。  そして守備も再三の好守備を見せた。1回裏には三遊間寄りのゴロを軽快にさばき、切り返しの速さを見せて二塁へ送球して、あっさりと併殺。4回表には、まず一死一塁の場面で、三遊間へ抜けそうなゴロを逆シングルで捕球し、こちらも鋭い切り返しで二塁へ送球しアウト。そして二死一塁では再び、嶋谷の元に打球が転がり、猛然と突っ込み、素早い持ち替えを見せて、ランニングスローでアウトにするなど、[stadium]宇部市野球場[/stadium]に来ていたファンを沸かせた。守備面で光ったのは持ち替えの速さだ。嶋谷はキャッチボールからすぐに握りかえて投げる意識でやっているという。  その理由を聞くと、 「持ち替えの速さは守備で大事なのですが、普段からそういうことをやっていると、ゆっくりとやっていると、いざというときに縫い目をかけて投げることがしづらくなります。だからキャッチボールからそれをやれば、縫い目をかけやすくなり、良いボールが投げられるんです」と理由をはっきりと答えてくれた。ここまで考えているからこそ、スピード感あふれる守備ができるのだろう。嶋谷のスローイングは安定しており、一塁の荒武は「いつもストライクで来るので、捕りやすいです」とナインからの評価も高い。  今年は清宮幸太郎を筆頭に野手の逸材が目立つが、実は遊撃手の逸材が少ない。そういう意味で、嶋谷のパフォーマンスは全国トップクラスと推していい逸材だ。神宮球場についての印象を聞くと、「山口にはない人工芝でプロが使っている球場で、やってみたい気持ちはあります。とにかく球場に慣れて、自分のプレーをしたいと思います」と人工芝であることを認識してこの大会に臨むだけでも違う。  神宮大会は多くの高校野球ファン、また野球関係者が集まる大イベント。自分たちの実力を思う存分発揮することを期待したい。
更新日時:2016.11.06

短評

観戦レポートより抜粋(2016年11月5日)  そして6回表、宇部鴻城が反撃開始。反撃のきっかけを作ったのが一死から4番嶋谷将平だ。主将で、昨年から5番ショートとして活躍する嶋谷。ここまで第1打席に中前安打、第2打席に右前安打を放っており、2安打を放ち、期待がかかった打席だ。  難波は、嶋谷を警戒して変化球中心の攻め。だが、嶋谷はそれでも、変化球を苦にせず、低めのスライダーを捉えて左翼線を破る二塁打。これで3打数3安打。過去2試合でも8打数3安打5打点と活躍を見せており、まさに頼りになるショートだ。  この嶋谷のヒットをきっかけに、宇部鴻城は二死三塁から5番打田啓将の内野安打で同点に追いつくと、二死一、二塁となって8番立石佳紀の左中間を破る適時二塁打で逆転に成功。さらに押し出し四球で1点を追加し、3対1と突き放した。  逆転のきっかけを作った嶋谷は176センチ72キロとそれほど上背があるわけではないが、下半身、上半身ともにバランスよく鍛えられており、打撃フォームを見ても、構えに癖がなく、トップに入ってからインパクトに入るまでの動きに無駄がない。広角に打ち返す打撃技術も見事で、現在は高校通算11本塁打。この試合では三遊間の深いところからダイレクトで収まる強肩を披露。全国的に見ても嶋谷ほど攻守のバランスが取れた遊撃手もいないので、全国区の遊撃手としてピックアップしておきたい選手だ。  あと1点取られれば同点のピンチを救ったのはショートを守る嶋谷だった。再び三遊間へ厳しいゴロが飛んだが、嶋谷は軽々と打球をさばいて、きわどいプレーとなったが自慢の強肩でアウト。2年ぶりの決勝進出を導いた。  あの場面について嶋谷はこう振り返る。 「捕手の配球は常に見ているので、捕手のサイン、打者を見て、あのコースに来るだろうなというのは予測をしていました」 相手打者に悟られない、投じた後に、三遊間よりに動いていたのである。ヒット性と思わせる打球でもアウトにできるのは、嶋谷の位置取りの上手さがあるからだ。打撃技術の高さ、強肩、意識の高さによって生み出されるポジショニングの良い守備と攻守ともに安定感があり、バタバタしない姿を見ると、精神的にもしっかりとした選手といえる。あとは高いレベルでプレーするためのフィジカル、瞬発的なスピードをどれだけ鍛えられるか。それがパフォーマンスに現れてくるともっと見栄えする選手になるはずだ。  嶋谷は宇部市出身。小学校からずっと宇部市の学校を通ってきた宇部っ子である。地元の宇部市民が見守る中で行われた中国大会決勝。主将として、4番打者として2年ぶりの神宮大会出場を導く一打を見せられるか注目である。
更新日時:2016.11.06

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