遠藤 和哉選手 (八幡商)

遠藤 和哉

球歴:八幡商

都道府県:滋賀

ポジション:外野手

投打:右 / 右

身長:180.0 cm

体重:78.0 kg

学年:卒業

寸評

 夏の甲子園帝京戦(2011年08月13日)で、9回にツーアウトから逆転満塁本塁打をライトポール際に放った選手です。ただこの選手、単なるラッキーボーイではなく、滋賀大会でも2本塁打を放つなど、八幡商屈指の強打者でした。今回は、そんな度派手な仕事をやってのけた男を、取り上げてみたいと思います。 (守備・走塁面)  守備位置はレフトなのですが、守備範囲も広く、落下点への入り、打球への反応も悪く有りません。特に球際では強くく、フェンスを恐れるプレーで好守を魅せてくれます。この選手の場合、守備力が低いからレフトをやっているというよりは、打撃により専念できるためではないかと思います。地肩も基準レベルありますし、高校生としてはなかなか上手い左翼手です。  一塁までの塁間を4.4秒台で到達し、これを左打者に換算致しますと4.1秒台。プロの基準である4.2秒をも上回ります。実際に滋賀大会の5試合でも2盗塁を決めるなど、結構動ける選手です。左翼手としての守備範囲の広さも、この脚力によるところが大きいのでしょう。上のレベルで走・守を売りにできるほどではないにしろ、左翼としてソツのないプレーは期待できると思います。 (打撃内容)  腕っぷしが強く、インパクトの瞬間にグッと力を凝縮し、ボールを叩き潰すようなスイングができます。一見引っ張り専門のような強引な打撃に見えますが、帝京戦でも魅せたように、右方向にも強い打球が飛ばせます。ただ非常にスイングは強い反面、緩い変化球に脆い側面があります。 <構え>  前足を軽く引いて、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰はしっかり据わって頼もしいのですが、バットを前に倒し少し癖のある構えです。ただ強打者としての雰囲気と、打席での集中力は悪く有りません。帝京戦では、臭い球をカットしつつ甘い球が来るまで我慢して、逆転の本塁打に結びつけました。 <始動>  ただ始動に関しては遅すぎるので、打てるポイントは限られています。ここまで遅いタイミングだと、一定レベルのキレや球速への対応も厳しいはずです。上のレベルでの野球を意識するのであれば、いずれは直さないといけないのではないのでしょうか。 <下半身の動き>  小さくステップするだけの打ち方なので、足を上げて下ろす「間」がなく、打てるポイントは限られます。通常ストレートに狙いを絞っているでしょうから、この打ち方だと、カーブのような緩い球が来ると対応し切れないのだと思います。それでも踏み込んだ足元はブレませんので、右方向にも強く叩くことができます。軽くアウトステップするタイプなので、元来は引っ張って巻き込む方が得意なのだと思います。 <上半身の動き>  打撃の準備である「トップ」の形を作るのが遅れ気味です。ただバットの振り出しには問題なく、ボールを捉えるまでに大きなロスは感じられません。腕っぷしの強さを生かして、バット最後まで力強く振り抜きます。ただ元来は、それほどボールを遠くに運ぶスラッガータイプではないように思えます。金属バットの反発力と体の強さで、ホームランをかっ飛ばしていたのでしょう。 <軸>  頭の動きが小さく、目線は常に安定しています。体の開きは我慢できておりますし、軸足にも強さが感じられます。課題は、仕掛けが遅すぎるなど、各動作が遅く打てる球が限られているところでしょうか。もう少し始動を早めて余裕が持てれば、打撃の幅が広がり強打に磨きがかかりそうです。
更新日時:2011.08.28

将来の可能性

 滋賀大会から、そのパワフルな打撃は目立っていました。それだけに甲子園での、ここ一番での活躍も納得です。その打撃だけでなく、守備・走力でも思いの外レベルが高く、けして打つだけの選手ではありませんでした。今後もぜひ、大学などでその強打を磨いて行って欲しいと思います。
更新日時:2011.08.28

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