艫居 春紀選手 (千葉英和)
寸評
投打にわたって高いセンスを発揮する艫居 春紀。適正は野手と見られており、前回は投手として取り上げたが、今回は野手に絞ってみていきたい。 (打撃) 3番・ショートに座った艫居。千葉国際戦では3打数0安打と持ち味を示すことなく終わった。 スタンスはスクエアスタンス。グリップを肩の位置において、背筋を伸ばして構えている。投手の足が下りたところから始動を仕掛けていき、小さく足を上げてまっすぐ踏み込んでいく。始動の仕掛けが遅く、ギリギリまで引き付けてボールを叩いていく。しかし始動の仕掛けが遅いので、一定以上の速球、変化球に対応出来るには水準以上のヘッドスピードが求められるが、まだ彼は好投手レベルを打ち返せるほどのレベルには達していない。 トップの動きを見ていくとグリップが体の後ろに入りすぎているので、インコースの裁きは難しくなり、相内の速球にどん詰まりしていた。ヘッドは外回りしており、遠心力でボールを遠くへ運ぶタイプだが、インパクト時にヘッドが下がっており、フライにしかならない。 この試合は彼の打撃の欠点の部分が露呈してしまった試合で、野手・艫居と強調できるモノはなかった。 (守備・走塁) 初めて投手以外の守備を見ることはできたが、スピード感のある遊撃手と比べると一歩劣る印象があり、物足りなさが残る。グラブ捌きはやや硬く、打球が速くなる人工芝なので、合わせて処理することができたが、ボールの動きが不規則になる土のグラウンドで対応できるグラブ捌き、リズム感があるショートには見えなかった。地肩自体はショートとしては平均的だが、暴投することを恐れてか、慎重な送球することを心がけている。 この試合では走者二塁の場面で、ランナーを刺すか、刺さないかに迷ってしまい、結局内野安打を許してしまうなど、消極的なプレーが目立った。
更新日時:2012.05.11
将来の可能性
上背がないので、将来は野手として見られる選手だが、打撃、守備が今一歩劣るところがあり、個人的には厳しいとみている。特に打撃は木製バットに置き換えて順応出来るのは他の野手に比べて遅くなりそうで、むしろ投手に将来性があるとみている。 この試合は8回からリリーフとしてマウンドに登ったが、球速としては130キロ前半だが、キレの良いスライダー、チェンジアップを両サイドに投げ分ける丁寧な投球から投手としての適性を感じた。自分の意志で何を考えて投げているのかが伝わってくる投球で、野手として出場しているよりも伸び伸びとできている。 強豪大学ではなく、地方大学としてならば活躍出来る可能性はあるかもしれない。もし野手としてプレーするならば、今よりもさらに真剣に取り組んで、走攻守の三拍子をよりレベルアップしなければかなり厳しい。 現時点では投手として適性ありとみているが、夏では野手として存在感を示していくか注目していきたい。
更新日時:2012.05.11
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