
高山 良介 (作新学院)
- 寸評
- 選抜の鳴門高校戦では、レフトスタンドに豪快な一発を放った 高山 良介。選抜では数少ない、スラッガー呼べる強打者だった。
(第一印象)
打席では力が入り過ぎかなぁという印象で、その打撃も粗いなぁというのが、一回戦を見ての感想。ただこの選手、チームの四番を任され、秋の成績も打率.405厘と高いのは、豪快に引っ張るだけでなく、右方向へも打ち返すことができる幅の広さを持っているからだろう。
(守備・走塁面)
一塁までの塁間は、4.75秒前後(左打者換算で4.5秒に相当)と、高校生としてはも遅いぐらいの走力。新チーム結成以来の79打席でも、盗塁は僅か2個。これをプロ野球の規定打席数に当てはめて考えても、年間11個ぐらい。全く動けない選手ではないが、上のレベルで足を売りにするとは考えにくい。
右翼手としての打球への反応、その動き自体は、けして悪いようには見えない。まぁ走力がない分、守備範囲は限られるのだろうが、球際でのプレーでは強さを発揮する。地肩の強さはよくわからなかったが、元々1年生の頃は捕手だったというから、肩に関しては弱くないだろう。上のレベルでも、左翼あたりならば問題ない能力はありそうだ。
(打撃内容)
少しクローズ気味に構え、あらかじめグリップを体の近くに添えて構えます。ボールをよ~く引きつけてから叩く、天性の長距離砲といえるタイプです。
<長所>
強打者の割には、それほどバットが遠回り出てこないのは好いところ。また「トップ」を早めに決めて、ボールを捉えるときもバットの先端であるヘッドは下がりません。大きな弧を描きつつ、豪快なフォロースルーでボールを運ぶ術を持っています。
<課題>
始動がリリース直前と遅すぎるために、打てるボールが限られます。狙い球が外れると、瞬時に対応できないため、どうしても打撃が脆くなりがち。幾分始動を早めることで、もう少し打撃に余裕を持ちたいかなと。ここまで遅い始動をしているうちは、どうしても対応力の課題はついて回ると考えられます。 - 将来の可能性
- 今年の高校球界でも、関東ではトップクラスのスラッガー。走力の無さ・打撃の粗さの問題はありますが、こういった選手は貴重なので、アマ球界は大事に育ててゆかないと行けない素材。
守備力・走力の無さからも、よほど打撃でアピールしないと高校からプロというのは厳しいかもしれません。しかし持っている可能性は素晴らしいので、なんとか長距離砲として花開いて欲しいですね。強引な引っ張りだげでなく、状況に応じて右方向にも打ち返す実戦的な打撃で、アピールして欲しいと思います。夏までに、どのぐらいスケールアップしてくるのか、密かに期待して見守りたいと思います。 - 情報提供・文:2012.04.09 蔵建て男
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