和田 恋選手 (高知)

和田 恋

球歴:高知

都道府県:高知

ポジション:一塁手, 三塁手

投打:右 / 右

身長:178.0 cm

体重:78.0 kg

学年:卒業

寸評

 物怖じせるに振れる選手は実に心強い。和田恋の打撃からそう感じさせた。1年夏からレギュラーとして出場し、選抜では柳 裕也から2安打を打つなど2年生では高レベルの打撃を実現。順調にスラッガーとして成長を見せてきた。秋では四国大会決勝では同点本塁打。神宮大会でも4打数4安打と大当たりを見せてきた。粗っぽさが残るが、来年の選抜ではドラフト候補として念入りにチェックしたい選手の一人だ。 (打撃)  彼の打撃はインパクトが強い。捉えた時の打球音が独特の音をするのだ。「カキーン!」という心地よい金属音ではなく、「ゴッ」と鈍い音が響き渡る。詰まった当たりでも押し込んで長打にするのだ。神宮大会では三塁打、センターオーバーのツーベース、右中間を破る二塁打、中前安打と大当たりであった。  スタンスはスクエアスタンス。グリップは肩の位置に置いてあらかじめ引いて構えている。背筋が伸びて、両目で投手を見ることが出来ていて、バランスの良い構えだ。投手の足が降りたところから始動を仕掛ける。長距離打者としては仕掛けが早い傾向にある。ただ彼は足を高々と上げて、タイミングを図っている。高々と足を上げて、トップも中村紀のように大きく動作を取っていきながら、強い打球を打つ準備が出来ている。早めに始動を仕掛けることによってアクションの大きい動作が実現できている。  トップはややグリップが内側に入り込んでおり、インコースの捌きが難しくなる。私が見た試合では徹底的にインコースを突くシーンがなかった。下半身の動きをみるとインステップ気味に踏み込んで外角を捌くことを意識している選手。外角に対しては腰の開きをギリギリに抑えて、ボールを捉えるまで我慢することができている。彼は引っ張れる緩い変化球に対しては腰が開いて思い切り引っ張り、長打が打てないならば、開きを我慢して、右方向へおっつけて打ち返している。  彼はボールの下を捉えるように打つ選手。そこから下から上へすくい上げるようなスイング軌道でボールを捉え、さらにフォロスルーでも両手が高い位置で 上向きとなっている。高い位置まですくい上げるフォロスルーを取る打者はやはり遠くへ飛ばせる選手が多い。 (守備・走塁)

 課題はサードサードの守備は拙い。打球に対する反応は良く、うまく打球に食らいついていっているが、グラブ捌き、送球ともに雑。打撃に対してはしっかりと準備を測って、結果を残しているのに、守備に対してはしっかりと準備が出来ずに動きに正確さがない。この冬では時間があるので、腰を据えて磨いていってほしい。  走力についても二塁打のタイムが9秒00前後とかなり遅いタイムで、走塁、守備は期待できない選手だろう。打撃は素晴らしい集中力を見せるが、走塁、守備はともに荒削りなのは、昔の大型サードを思い出させるような選手である。

更新日時:2012.12.06

将来の可能性

 打撃に関しては飛距離、集中力の高さはこの世代の中でもずば抜けており、タイミングを図るのが非常に上手いスラッガーだ。彼ほどの打者になると四球が多くなるので、一つ一つの打席を無駄にしないようと、臭い球に対してはファールで粘る融通性があるのがこの選手の良さである。ただ守備・走塁ともに雑な選手で、打撃以外に目を向けて標準レベルの走塁に持っていってほしいところ。やはり一発勝負の高校野球だから。要所で守れる球際の強さが必要だ。  過去に指名された右の内野手と比べても実力的には大きな差はない。長打力、対応力の広さをアピールし、さらには守備面で、今年よりも大きな成長面が見られれば、高卒プロの道も切り開かれる逸材であろう。ぜひ選抜では打撃では豪快さを、守備では堅実さを求めて大ブレイクをすることを期待したい。
更新日時:2012.12.06

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