
中村 奨成 (広陵)
- 寸評
- 一躍、今年のスーパーキャッチャーとして注目されるようになった中村奨成。甲子園では、28打数19安打(大会タイ記録)、17打点(大会新記録)、6二塁打、6本塁打(大会新記録)、2三振、3四球1死球、打率.679、出塁率.719、長打率1.536、OPS2.254と圧巻の打撃成績を残した。そして守備面でも自慢の強肩とフィールディングを披露し、ドラフト1位候補としての評価を受けるようになった。そんな中村のパフォーマンスを振り返ってきたい。
(打撃)
中村のヒットゾーンはストレートは高め・低め、内外角問わず打てる選手。これほど直球に強い選手はなかなかいない。現在、投手の球速も格段に上がっている中、ストレートに強いのは大きな強みとなりそうだ。それをどのコースにも打てるポイントがある。変化球はスライダー系の変化球に強く、スライダー系もしっかりと合わせる。逆に弱いのはカーブ系、フォーク系。これは精度の高い縦変化は、プロでも打てない打者は多いので、どれだけ見極めができるかにかかっているだろう。それは世界大会でのチェックポイントとなるのではないだろうか。
中村の構えはスクエアスタンス。トップの位置は高く、構え方は坂本 勇人を意識しているように感じられる。投手の足が着地する寸前に始動を仕掛ける選手で、始動の仕掛けはやや早めで、しっかりと左足を上げてからまっすぐ踏み込んで打ちに行く。トップの動きを見るとバックスイングを深く取っていき、しっかりと形成する。そこから体を傾けながらインパクトに入る動作は坂本と似ている。インパクトまでロスのないスイング軌道ができており、いわゆるインサイドアウトで振り抜くことができている。下半身の動きを見ると、真っすぐ踏み込んで足元を我慢することができており、うまく軸足の回転と腰回転が連動している。
ただいったんタイミングを外されると、いわゆる手打ちといわれるような下半身が使えない状態となる。中村の場合、両膝をうまく使えているかが、チェックポイントとなるだろう。
最後のフォロースルーを見ると、前へ大きいスイングができており、強打者特有のグリップ位置も高いフォロースルーとなっており、強打者の打撃フォームである。
木製バットの対応だが、この2試合を見る限り、木製バットに打たされている感はなく、しっかりと自分の打撃フォームで直球、変化球には対応できていた。あとはボールを見極めしながら、世界の投手に適応をしていきたい。
(守備・走塁)
キャッチングを見ると、フレーミングを多用する選手で、外角のボール気味の変化球を内側にもっていくことが多い。それでストライクを取ることが多く、この技術を磨いていきたいところ。ワンバウンド処理を見ると、甲子園では後ろに逸らすことが多かったので、それが気になった。世界選手権ではレベルが高い投手陣にどうリードするのか、注目が集まる。
スローイングタイムは常に1.8秒~1.9秒台のスローイングを披露。簡単には盗塁ができず、さらに、バント処理も素早く、猛然と出てきてアウトにする姿はまるで機敏なショートを見ているかのようだ。この動きを見て遊撃手として育てたい球団があっても不思議ではない。
足は俊足で、二塁到達タイムも右打者ながら8.00。二塁盗塁も速く、今までの捕手像を覆す俊足捕手である。 - 将来の可能性
- 打撃はスラッガーというより、好打者。打率3割、本塁打15本~25本は見込める逸材ではないだろうか。コンタクト能力が高いので、技術で30本塁打を打てる可能性はあるかもしれない。スローイング技術はハイレベルで、キャッチング技術はこれから磨く必要はあるが、プロの投手と組むことでだいぶ良くなるだろう。
プロ野球界に絶滅しつつある、本塁打を常に二桁に達し、打率も3割前後残せる強打の捕手へ育つ可能性は秘めていそうだ。
中村の能力、甲子園で残した活躍から考え、ドラフト1位の可能性はあり、外れ指名で、競合が多く集まるタイプではないだろうか。世界大会でさらに評価を高められるか。世界大会を見て、プロ1年目でどれくらいのパフォーマンスを残すことができるか、紹介をしていきたい。 - 情報提供・文:2017.08.28 河嶋 宗一
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そこからずっと好きです!!
広島で、二軍で頑張ってると思いますが、早く一軍で出れるように待ってます!
これからも応援してます!
甲子園のときから応援してました。
言葉にはあまりできないのですが、
ナインの姿や戦い方などに、ぐーと引き寄せられるものがあります。
野球を子供にさせたい。そう感じるものがあります。
最後の広陵高校、がんばってください
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