宮城 清主選手 (浦添商)
寸評
第38回沖縄県高校野球一年生中央大会、準決勝の小禄戦で8回途中までパーフェクト、味方のエラーが出たものの、打者28人無四球でノーヒットノーランを達成。19回1/3イニングを投げて防御率0.98、奪三振率7.93。しかし特筆すべきはそのコントロールの良さ。与えた四球が僅か一つで与四死球率は0.47を記録した。 観戦レポートより抜粋(2013年11月23日) 高校野球初完封がノーヒットノーラン!宮城清主の偉業で浦添商が小禄との無敗対決を制す! 「逆にありがとうと言いたいです」 ピッチャーとして一生に一度あるか無いかの大偉業を達成しようとしていた浦添商・宮城 清主(きよかず)は、8回ツーアウトからエラーをしてしまい完全試合を無くしてしまった味方に対して、ありがとうという思いを出した。 宮城清主が完全試合を意識し出したのは7回先頭打者を打ち取ったとき。そして8回もポンポンと来たが、内心力が入りそうな感じもしていたと言う。もしも打たれるとして、9回ツーアウトからやられるよりは、一つ前のイニングで途切れる方が最終回のマウンドに立ちやすいし、ここでランナーが出ればセットの確認も出来る、そんな思いも抱いていた右腕だからこその「ありがとう」だったのだ。はたしてその言葉通り、最終回の宮城清はそのエラーを引きずることなく三人を打ち取り、95球無安打無四球4奪三振のノーヒットノーランを達成したのだった。 準々決勝の美里工戦で僅か2安打で完封勝利している天久 太翔(あめく・たいと)がこの大会ではエースナンバーを背負っているが、一年生ながら夏の選手権沖縄県大会から投げているのは宮城清ただ一人。 「決勝へ向けての大事な試合だからこそ、経験豊富な彼に委ねた」と、宮良高雅監督も彼にかける期待はおおきい。だが、「調子は良くなかった」と宮城清本人と指揮官の感じ方は同じだった。「グランド整備が終わった6回からコントロールが決まるようになった」宮城清は、前半は殆どが真正面だったとはいえ小禄の打者が捉えた打球は外野へポンポンと飛んでいき、初戦の北山戦で奪っていた7つの三振も、この日は同じ5回を終了して僅か2つだった。それでも宮城清が堂々と投げ続けることが出来たのは天久 太翔の存在が大きい。 「彼がいることで、何も恐れず堂々と投げられる」。宮城清の中での天久の存在は大きい。チームメイトであり且つ、ライバル関係に当たる友が自陣内にいると居ないとでは大きく違う。リリースポイントを意識した後半は「良い感じで」(宮城清)ストレート、変化球が低目に決まり出し、ついにノーヒッターの偉業を成し遂げたのだった。
更新日時:2013.11.28
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