片桐 憲吾選手 (習志野)
寸評
関東大会優勝を決めた習志野のクリーンナップを打つ片桐憲吾。昨年から打球の速さ、飛距離というのは目を見張るものが感じられ、脚力、守備力もまずまず高く、総合力の高い外野手と見ていた。今年は機動力を徹底するチームになったことで走塁の意識が俄然と変わった。さらに走攻守のスキルをレベルアップさせる選手に成長した。 (打撃) スタンスはスクエアスタンス。ベース寄りに立ち、昨年は体が一塁側に向いていたが、真っすぐ投手を正視するようになった。投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、足を小さく上げて真っ直ぐ踏み出す。トップの動きを見ていくとグリップは頭の後ろの動いてしまうので、インコースは捌き辛い。 スイング軌道を見るとレベルで振る意識は見られるが、スイングはまだ遠回りで、藤井拓也に比べるとややインパクトの強さで劣る。だが藤井よりもスイングは硬くないし、しっかりとタイミングを測って、ファールで粘っていきながら、甘い球を見逃さず両方向へ打ち返す打撃が出来ている。 巻き込む打球も多いので、プルヒッターかと思えば、ライト方向へも流せるので、結構器用な一面を見せている。習志野の右打者の中では対応力の高い打者の一人で、吉永健太朗にも、釜田佳直に対しても苦にすることなく打ち返すことができている。際立つような長打力もないし、常にハイアベレージを記録しているイメージはない。だが対応力の高さは習志野の中でも上位に入る選手だ。 (守備・走塁) 昨年よりも打球の反応が良くなり、一歩目を速く動けるようになっている。守備範囲は格段に広くなった。地肩の強さは高校生として基準以上のレベルに達しており、鋭い返球を返すことが多くなった。彼がセンターを任されるようになったのは守備に対する意識が高まったというのが大きいと考える。 塁間タイムは4.2秒~4.4秒前後を計測する。左打者ならば3.9秒~4.2秒前後で駆け抜ける俊足である。今までもこれぐらいのタイムを駆け抜ける脚力はあったものの、盗塁を積極的に仕掛けることはなかったが、3年になってだいぶ走塁の意識も変わってきた。
更新日時:2011.09.22
将来の可能性
昨年に比べると守備・走塁に対する意識がぐっと変わり、持ち前の打撃力の高さが合わさって走攻守にバランスが取れた外野手に成長した。宮内 和也と藤井 拓也と比べるとやや存在感が薄れるタイプに見えるが、打撃面を見ると対応力の高さが光り、木製バットにも順応していけるタイプではないか。 彼のような身体能力を活かしたプレーをする選手は荒削りなタイプが多いのだが、小林色に染まり堅実なプレーをする選手になったのは驚きだ。改めて小林監督をはじめとした習志野首脳陣の指導に感服する。一つ一つのプレーを丁寧にこなすので、大学で続けるならば緻密なプレーを行う環境が彼には合っているかもしれない。木製バットに対応することを考えてさらに腕の使い方を意識し、大学でも走攻守三拍子揃った外野手として活躍することを大いに期待している。
更新日時:2011.09.22
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