河野 瑞希選手 (石見智翠館)

河野 瑞希

球歴:石見智翠館

都道府県:島根

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:179.0 cm

体重:68.0 kg

学年:卒業

寸評

 まるでキャッチボールを始めるかのような、静かな感じで投げ込んで来きます。しかしそこから投げ込まれるストレートは実に力強く、変化球も多彩。そんな2011年度の島根を代表する投手を、今回はご紹介してみたい。 (投球内容)  セットポジションから、足を非常にゆっくりとソロ~と引き上げて来る独特のフォーム。けして速い球を投げるような投手には見えないのだが、球速は常時130キロ台~MAX139キロに到達。その球質は、ズシリと重い。変化球も、スライダーとチェンジアップを軸に、カーブ・フォークなども織りまぜて来る。  そのボールは低めに集まることも多く、制球は安定。独特の間を持つ、マウンド捌きも悪くない。クィックは、1.2秒台後半~1.35秒ぐらいと少し遅いが、その分ランナーが出ても、自分の「間」を重視しているかのようなピッチング。その投球フォームは特殊なものがあり、私自身これまで観たことのない特殊なフォームだった。 (投球フォーム) <広がる可能性>  引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻の一塁側への落としは甘くなる。そのため見分けの難しいカーブで緩急をつけたり、鋭く縦に落ちるフォークのような球種は、投げにくいはず。それでもこういった球を投げられるのは、着地までの粘りがあるから。地面に着きそうなところまで足を降ろし、そこから前にステップして着地のタイミングを遅らせている。これにより体を捻り出す時間を稼ぎ、いろいろな変化球が投げられる。そういった意味では、これからも球種を増やし投球の幅を広げて行けそうだ。 <ボールの支配>  グラブは最後まで内に抱えられ、両サイドへの制球は安定。足の甲の押し付けはできているが、その時間が短いのが惜しい。「球持ち」もまずまずで、指先まで力も伝えられている。将来的にも制球に優れ、きめ細やかな投球が期待できるのではないのだろうか。 <故障のリスク>  お尻を一塁側に落とせない割に、カーブやフォークなどを投げるので、体に負担はかかります。しかしそれほど多くこういった球を投げているわけではありませんし、力投派ではないので、負担は少ないのではないかと考えます。腕の振り下ろしには無理がありませんので、肩への負担は少ないと思われます。いずれにしても、アフターケアには充分注意して、疲れが蓄積しないように心がけたいですね。 <実戦的な術>  「着地」のタイミングは遅らせることができているので、打者からタイミングが合わせやすいということはなさそう。それでも体の「開き」は早く、ボールの出所はわかりやすいタイプ。ただ彼が興味深いのは、前の肩が開いてボールが見え始めてから、なかなかボールが出てこない独特なフォームにあります。打者としては、想像以上にタイミングが取りにくいのではないのでしょうか。  振りおろした腕が、体に絡んできません。そのため球種の見極めがしやすかったり、ボールを置きに行くようなところがあります。「体重移動」は悪くなく、ボールに体重を乗せることができており、打者の手元まで力強いボールが行っています。
更新日時:2011.09.16

将来の可能性

 見た目は、何の変哲もない投手かなと最初思いました。しかしよ~く見てみると、かなり独特なフォームのうえ、ボールにも力があり結構低めにも集めてきます。「間」の取り方も面白いですし、相当個性的な投手だと言えるでしょう。  癖はありますが、投手とのしての基礎的な部分はしっかりしております。更に球威・球速を増しつつ、投球の総合力を引き上げられたら、大学などでも面白い存在に成り得るではないかと密かに期待しております。この夏出会った投手の中でも、最も個性的な投手だったと言えるでしょう。
更新日時:2011.09.16

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