神原 友選手 (東海大甲府)
寸評
関東大会で最速146キロを計測し、一躍、関東を代表する剛腕に名乗り上げた神原 友。体格自体は出来あがっており、あとはプロで通用するテクニックを身につけるだけで良い投手だと思っていた。それを納得させるにはクオリティの高い投球を継続できるかがポイントと捉えていた。そして最後の夏。選手権ベスト4の原動力となる快投を見せ、大きく株を上げた。東海系列の学校はそのまま進学するイメージが根強いのだが、体格的にはほぼ完成されて、技術的なモノもしっかりしているので、個人的には高卒プロで欲しいと思わせる投手だ。 (投球スタイル) ストレート 146キロ 常時140キロ~145キロ スライダー 120キロ前後 フォーク 125キロ前後 縦のスライダー 120キロ前後 カーブ 110キロ前後 ストレートは140キロ台を維持しており、常時140キロ中盤の速球をスピード能力は超高校級だ。体格的には完成されているので、球速を伸ばすというより常に140キロ台中盤の速球を維持出来るトレーニングが望ましいかもしれない。 変化球はスライダー、縦のスライダー、カーブ。いずれも精度は高く、打者の手元で鋭く変化するスライダー、縦のスライダーは空振りを奪える精度があり、龍谷大平安戦では井澤 凌一朗、高橋 大樹の強打者2人をストレートと縦の変化球のコンビネーションで完璧に封じ込んだ。 内外角のコントロールが安定しており、縦横のスライダーを打者に応じて投げ分けられるのが強み。投げながら感覚を掴み、調子を上げていく先発タイプ。終盤になってからも安定した投球を展開。外角ギリギリのストレート、スライダーのコンビネーションは前日まで行われたU-18世界選手権でも通用した。先発投手としては高い能力を備えており、リリーフも務められるオールラウンダー。投球の完成度、安定感においては今年の高校生ではトップクラスに入る投手として高く評価する。あとは右打者の内角、左打者の外角へ決まる変化球があるとさらに投球の幅は広がっていきそうだ。 (クイックタイム・フィールディング・牽制) クイックは1.1秒~1.2秒前後と高速クイックを実現。牽制も鋭く、フィールディングの動きも鍛えられており、ファーストへのカバーも速い。 投球フォームについては前回の寸評でも考察し、それほど大きく変化はないので、割愛。
更新日時:2012.09.09
将来の可能性
今年の高校生投手では高いレベルに到達しており、そして体格的にもがっしりしており、基礎体力の高さも見逃せないポイント。今年の高校生右腕を相対的に見て、彼以上の右腕はなかなかいないので、志望届を出したならば、上位とまでは行かなくても下位指名ならば考えられる投手ではないだろうか。あとは上のレベルの強打者に対する凌ぎ方を覚えるだけだが、それは大学に行くよりもプロに進んで、打たれながら学んでいったほうが良いと考える。 もともと140キロ近い速球を投げ込んでいた投手だが、トレーニングより常時140キロ台を叩きだすレベルとなり、そしてマウンド上でもかっかすることなく落ち着いて投球ができるようになり、安定した結果を残す投手になり、精神面でも成長が見られた。 自身の努力で素質を伸ばすことができる姿勢があり、厳しいプロでもやっていける投手だろう。1年目から二軍のローテーションに入るつもりで取り組み、3年目ぐらいから一軍定着できる投手になってもらいたい。
更新日時:2012.09.09
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