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寸評
今年の高校生を代表する右腕の1人である柿木蓮。仙台育英戦の敗戦、選抜決勝で登板できなかった悔しさを夏の成長につなげた。そんな柿木のピッチングを振り返っていきたい。
この半年で、平均が大きく伸び、柿木が目指したかった「豪快なピッチングができる投手」になりつつある。そんな柿木の最後の夏をを振り返っていきたい。
(投球内容)
ストレート 常時145キロ~151キロ
スライダー 120キロ後半
フォーク 130キロ前後
第100回甲子園最速となる151キロを計測。ストレートの勢いが違うこと、北大阪大会から感じさせ、改めて世代を代表する速球派として感じさせた。それにしてもだ。6月の招待試合では140キロ前後。ここから平均球速が5キロ以上速くなってしまうのだから、大阪桐蔭の調整術は見事である。
もちろん速いだけではなく、威力も抜群。気力、技術が伴った時のストレートは迫力満点で簡単には前に飛ばない威力、そして雰囲気があった。ストレートの球速の伸び方は理想的。プロでは常時150キロ~155キロまで速くなる予感をさせた。
変化球は120キロ後半の縦横のスライダー、130キロ前半のフォーク。高速系の変化球で勝負する投手で、昨年より進化した部分として、縦スライダーが決め球として使えるようになったのが大きい。
去年と比べると外角を難なくストライクを取れるようになり、ピッチングの幅が広がった。
(投球フォーム)
走者がいなくてもセットポジションから始動する。左足を真っすぐ上げていきながら右足の膝を適度に伸ばしていきながらバランスよく立つ。左足を遊撃方向へ伸ばしていきながら、重心を下げていく。選抜での柿木はインステップ気味にしてそのまま真っすぐ踏み込んでいく形だったが、夏の選手権ではインステップ気味に、さらに歩幅をやや狭め、かかとから踏み込んで、その回転をもって投げるフォームとなった。吉田輝星に比べれば、荒々しいフォームである。
強靭な下半身、背筋によって投げられるフォームだといえるだろう。
将来の可能性
これまでの豊富な経験値を生かしてピッチングに大きな幅が出てきた。スライダー主体のピッチャーとしては上出来の内容で、次のステージに進んでもさらに投手として奥行きが出てくる投手だと実感させた。選抜決勝で登板できなかった悔しさを力に変えてくれた。
プロ志望届けを出す意向と聞いているが、十分に指名されるに値する実力は備わっている。
柿木の場合、速球、スライダー主体のピッチングなので、リリーフ向きと考えそうだが、連投になると球速が落ちる傾向が顕著なこと。またピッチングを覚える意味では先発で育てるべき投手。
投球に奥行きがさらに出てくれば、高卒2年目には一軍デビュー、高卒4年目にはローテーションを狙える投手になるだろう。
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