根尾 昂選手 (大阪桐蔭)
短評
観戦レポートより抜粋(2018年4月1日) 1981年・1982年のPL学園以来となるセンバツ連覇を目指す大阪桐蔭。タレント集団の中心人物として位置づけられているのが投打の「二刀流」根尾 昂である。 昨秋公式戦では投げては最速148キロのストレートと切れ味鋭い変化球を武器に防御率0.47。打っても秋季大会で打率.357、5本塁打、20打点。ベスト8進出をかけた3回戦では自身初となる[stadium]甲子園[/stadium]先発。名実ともに二刀流としての活躍に注目が集まった。 では、まず投球面から振り返ってみよう。9回1失点完投に要した球数は「153球」。うち約7割がストレートで構成され、常時140キロ~145キロの速球を連発したスピード能力は今大会随一ともいえる。さらに125キロ~120キロ後半のスライダーは縦に鋭く落ち11奪三振。一方で制球が荒れ9四死球。9回表には二死満塁と自ら走者を背負いこむ場面も目立ったが、他投手の負担を軽減できた部分も含め4安打1失点での自身[stadium]甲子園[/stadium]初完投は高く評価できる。 もう1つ、根尾の投球面で特筆すべきは、明秀学園日立の警戒打者であった1番・増田 陸(3年)と4番・芳賀 大成(3年)に対峙した際のギアの上げ方だ、 増田に対しては4打数0安打2三振。芳賀には2安打を打たれるも打ち取った3打席はすべて三振。最後も芳賀からの三振奪取で締めた。これまで2人の活躍で勢いに乗ってきた明秀学園日立打線の特色を分断したクレバーさも流石といえよう。 一方、打撃面でも根尾らしいクレバーさが見えた。最初の2打席はフォームを崩すことなく四球を選んだ上で、1対0で迎えた5回裏二死一・二塁からは球に逆らわず左前に落とす適時打。 明秀学園日立のチームとエース・細川 拓哉(3年)にダメージをもたらした一打は、同時に大阪桐蔭のチームメイトへも安心感を与えることに。2試合7打数3安打4打点 打率.429の数字以上に存在感は際立っている。 かくしてセンバツ連覇まで「あと3勝」となった大阪桐蔭。今後の起用法にも注目が集まる根尾は、あくまで冷静さを保ちつつ、チームの勝利のために投打で大暴れを見せる覚悟だ。
更新日時:2019.04.20
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