吉村 大輝選手 (高知)

寸評

　中学時代から注目されていた投手らしく、非常に洗練されたマウンド捌きを魅せる好投手。完成度の高いピッチングと、野球センスの高さを感じさせます。 （第一印象） 　驚くような球威・球速があるわけではないのですが、いわゆるピッチングができる投手らしい投手との印象を強く受けました。 （投球内容） 　オーソドックスなフォームから繰り出す130～中盤ぐらいのストレートに、カーブ・スライダー・チェンジアップなど一通りの変化球も織り交ぜてきます。カーブなどが抜けることは多いのですが、ストレートは打者の内角を厳しく突いたり、外角一杯で出し入れしたりと高い技術を魅せる。小さく打者の手元でキュッと曲がるスライダーが武器で、この球を外角低めの微妙なところに投げ込んで空振りを誘うのが上手い。 　クィックは、1.15秒前後と平均的で、牽制の鋭さが光る。ピッチングが上手く、投球センスが高い。 ＜長所＞ 　グラブを最後まで内に抱えられており、両サイドの投げ分けも安定。足の甲でも地面を深く捉えており、ボールも上吊り難い。もう少し指先の感覚を磨けば、もっと精度の高いコントロールも期待できそう。 　腕もしっかり振れており、速球と変化球の見極めは困難。ボールにも適度に体重が乗せられており、打者の手元まで生きた球が投げられます。 ＜課題＞ 　すでにかなり完成された投手との印象が強く、今後どのぐらい球速を伸ばしてゆくことができるのか？ピッチングの技術は全国級も、もうワンランク・ツーランク球威・球速を増さないと、全国を意識するのは物足りないかと。

将来に向けて

　一冬越えて、球速などが伸びて来ると面白いと思います。現状は、完成度の高い好投手との印象。2016年度の高知を代表する投手になると思いますが、更に技量を高めて全国へ駒を進めて欲しい存在。それができれば、上の世界への扉も開かれるでしょう。