加藤 将之選手 (明豊)

加藤 将之

球歴:明豊

都道府県:大分

ポジション:外野手

投打:右 / 左

身長:177.0 cm

体重:77.0 kg

学年:卒業

寸評

 甲子園ではチームの4番として、思いっきりの良いスイングで長打を連発。しかし大分大会の打率は、211厘ともうひとつで、甲子園での活躍だけを鵜呑みにするわけには行きませんでした。そこで今回は、大分大会の模様も見直すことで詳細を詰めて行きたいと思います。 (守備・走塁面)  打球へ対する反応や落下点までの入り方も無駄がなく、余裕を持ってプレーができている。守備範囲も広く、高校生の外野手としては上手い部類に入るだろう。地肩も基準以上のレベルにあり、守備に関しては充分上のレベルでも通用するだけのものがある。  この選手、当たりによって一塁までの到達タイムが極端にバラつきがある。左打者なので、最初から走りだしているときは、塁間を4.0秒を切るような高タイムを出すかと思いきや、4.3秒台ぐらいの基準を下回るスピードで到達することも少なくない。ただ大分大会5試合で盗塁は1個。それほど走塁への意識が高いタイプとは、試合を観る限り思えなかった。現状一定の走力はあるのかもしれないが、それを活かす術は持ちあわせていないと考えるべきではないのだろうか。 (打撃内容)  比較的ボールをじっくり見て来るタイプで、右に左へと強い打球を飛ばせるところに大きな特徴があります。力感溢れるスイングとフォロースルーを生かして、ボールを遠くに運べる選手です。 <構え>  左打者らしく前足を軽く引き、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合、両目で前を見据える姿勢など、全体のバランスも適度に取れた良い構えだと思います。 <始動>  投手の重心が沈みきったあたりで始動する、中距離打者が多く採用するスタイル。そのためある程度の長打力と対応力を兼ね備えた、勝負強い打撃が持ち味だと言えそうです。実際のプレーも、そんな感じの選手でした。 <下半身>  足を上げて降ろすタイプなので「間」が作れており、いろいろな球に対応できます。ただ大分大会では、足を降ろすタイミングに迷いがあり、上手くタイミングが取れておりませんでした。真っ直ぐ踏み出し来るスタイルなので、内角の球でも外角の球でも打ちたい幅広い打撃をします。踏み込んだ足元も、なんかカカトを地面にめり込ませることで、開かないように押さえつけてます。そのため外角の球に対しても、なんとか捌くことができていました。 <上半身>  少し打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れます。これにより速い球に、振り遅れる可能性が高まります。またバットの振り出しも、肘が下がって振り出されるので、ボールを捉えるまでにロスが感じられます。バットを寝せてレベルスイングを心がけるのは良いのですが、バットを振り出す時に肘が下がらないようにして、体の近くでバットを振り抜いて行きたいですね。それでもボールを捉えてからのスイングの弧は大きいですし、フォロースルーを上手く使ってボールを遠くに運ぶことができています。 <軸>  足の上げ下げの動作が激しいので、結構頭が動いてしまい目線が安定しません。体の開きは我慢できていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定しているだけに残念です。  大分大会では迷いが見られていたスイングも、甲子園では調子を取り戻しておりました。ただスイング軌道やトップの形成の課題があり、この辺が改善されてくると、もっと率が上がるのではないのでしょうか。それでも強くバットを振れるのは、この選手の強みです。
更新日時:2011.09.12

将来の可能性

 右に左へと強い打球が打てますし、守備・走力の能力も一定レベル以上のものがあります。守備に関しては、今後も充分上のレベルでもやって行けるだろう。打撃と走力に関しては、潜在能力は秘めているので、これから磨いて行って欲しいところ。  非常に良いものを持っている選手なので、大学や社会人に進んでも、大いに期待が持てるスケール感があります。上手く粗さが取れて来ると、将来的にプロをも視野に入れられるかもしれません。今後も、大いに期待して見守りたい大器でした。
更新日時:2011.09.12

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です