関根 智輝選手 (都立城東)
寸評
2016年、都立屈指の本格派右腕と注目された関根智輝。オリックス入りした鈴木優よりも素材は上であり、夏ではスカウトから注目を浴びる投手として期待していた。だが体調不調もあり、思うような力を発揮できず、進学を決意。成績も優秀なこともあり、慶應大進学が決まった。 取材に訪れた練習試合では二けた奪三振を取るなど、安定したピッチングを見せた関根。夏の試合と比べても練習試合の方が内容が良かったのでそちらの内容から関根のピッチングに迫っていきたい。 ストレートの球速は常時136キロ~143キロを計測。コンスタントに140キロを計測しており、高スピンがかかったストレートは非常に素晴らしく、まだ体ができれば、145キロ~150キロまで到達するのではないかと期待させるものがある。140キロ台を計測し始めたのは3回以降から。ストレートはほぼ140キロを計測していた。 変化球は、縦横の2種類のスライダーがあり、これがストレートと同じ腕の振りで投げることができるので、打者は判別ができず、思わず空振りをしてしまう。スライダーの切れのレベルはドラフト候補として注目される投手と比較しても遜色ないレベルにある。 関根の良さは、コントロールが良いこと。ストレートのコマンド。スライダーの切れ、コントロールともにハイレベルで、四球を出すことに不安がない。大型投手はえてして制球に不安があるが、これほどの上背で、コマンド能力の高さ、制球力の良さを生み出すフォームの土台の良さ。故にスカウトが注目するのも納得できる。 (投球フォーム) 彼の潜在能力の高さを引き出す投球フォームの良さに迫っていきたい。セットポジションから始動し、左足を回し込むようにあげていきながら、右足の膝を適度に曲げてバランス良く立つ。その後、左足を二塁方向へ送り込んでいきながら、お尻から先行するヒップファーストを取って、ぐっと踏み出していく。左腕のグラブを斜めに伸ばしていきながら、開きを抑えていき、内回りの旋回をしていきながら、トップを作り、リリースに入っていく。そして左足にぐっと体重が乗ってリリースに入っていく。一連の動作を見ると、フォーム全体の流れは良く、下半身の力をため込んで上半身で一気に振り下ろしていくフォームだ。
更新日時:2016.12.17
短評
身長もあり、一定以上の体格もあり、ストレートの球速、変化球の切れも一定以上のものがあり、ドラフト候補として注目できるものはある。ただ、夏でどれだけワンランク伸びるかが高卒プロに行けるかいけないかの分かれ目だったので、夏の大会では、140キロ前後ぐらいだったのを踏まえると進学の決断は正解だったといえる。 慶応大に進学して、自分を見失わずに、確固たる実力を築き上げることができるか、注目をしていきたい。
更新日時:2016.12.17
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