中川 真杉選手 (日大三島)
寸評
ドラフト会議において、ソフトバンクに2位指名された小澤怜史投手の跡をを継ぎ、新チームから日大三島のエースナンバーを背負った投手。秋の浜松修学舎戦では、見事ノーヒットノーランを達成し、一躍その名前は東海地区に鳴り響いた。 (第一印象) 春に小澤投手目当てに行った試合で投げていたのが、この中川投手。身体は大きくはなかったのですが、センスの良さが光りました。小澤選手は、馬力で押す速球派でしたが、こちらはうまく間を使いながら、相手を討ち取ってゆく好投手タイプ。 (投球内容) はっきりした球速はわかりませんが、常時130~135キロぐらいでしょうか。打者の手元でキュッと曲がる実戦的なスライダーを武器に、カーブやフォークなどもあるようです。クィックも1.05~1.10秒ぐらいと素早く、特に鋭い牽制に特徴があります。 スライダーが低めに集まるのは良いのですが、左打者に対するコントロールが甘く、その球を打たれるケースが目立ちます。冒頭にも書いたように、ランナーを出すとじっくりとボールを持ち、走者や打者を焦らします。そういった間を意識したピッチングは、先輩の小澤投手にはあまり観られなかった特徴。力よりも技術と総合力で、相手を討ち取りにきます。 <長所> 腕を上から叩きつけるために、上背以上にボールに角度があります。それでいて腕の送り出しにも無理がなく、肩への負担が少ない貴重なタイプ。 <課題> グラブを内にしっかり抱えられていないため、外に逃げようとする遠心力を抑え込めず、上体が暴れてコントロールを乱す要因に。 ステップの幅が狭く、充分に前に体重が移っていっていません。そのためボールにもウエートを乗せることができず、活きた球が打者の手元まで行きません。下半身の体重移動が、今後の大きな課題だと言えるでしょう。
更新日時:2015.11.27
将来に向けて
小澤投手のような、来年のドラフト候補という感じはしません。しかし1つ1つ課題をクリアしてゆき、実戦派としての技量を高めてゆくことで、道が開けてゆくタイプ。大学などを経て、才能が開花してゆく選手ではないのでしょうか。 順調に一冬超えれば、静岡を代表する投手。東海地区でも、注目の好投手として名前があがる一人でしょう。今後も長い目で、この選手の成長を見守りたいものです。
更新日時:2015.11.27
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