高平 廉都選手 (啓新)

寸評

　最後の夏は、１番・ライトで出場。新チーム結成直後はベンチ入りしていなく、努力でその地位を勝ち取った苦労人。秋のドラフト会議に向けて、プロ志望届けを提出した。 （第一印象） 　走攻守、適度にバランスの取れた好選手。 （守備・走塁面） 　一塁までの到達タイムは、右打席から4.45秒弱ぐらい。これを左打者に換算すると、4.2秒ぐらいに相当し、プロの基準レベル。 　右翼手としては、落下点までの追い方、キャッチングなどを見ていると合格ライン。地肩もそれなりに強そうで、走・守　は図抜けてはいないものの、プロレベルでも合格レベルなのでは？ （打撃内容） 　夏の準決勝・福井工大福井戦の模様をみましたが、ヒットは打てませんでした。それでも夏の予選では、19打数5安打で1番打者の役割を果たします。 ＜構え＞　☆☆☆ 　スクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰を深く落とし、両目で前を見据える姿勢。全体のバランスとしては、並ぐらいでしょうか。 ＜始動＞　遅め 　何度か足を細かく上げ下ろししてタイミングを図りますが、本格手に動き出すのは遅めのタイミング。ボールをじっくり見定めてから動き出すので、長距離打者か２番打者に多く観られる始動。彼の場合は、後者のタイプでしょうか。 ＜下半身＞　☆☆☆ 　小さく足を浮かし、真っ直ぐ踏み込んできます。始動～着地までの間は短く、狙い球を絞りその球が来るのを待ちます。そのため瞬時に、狙いと違う球が来ると対応するのが難しい打ち方。 　真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたい意思の現れ。踏み出した足元も、インパクトの際にブレません。これによっては、外角の厳しい球や低めの球にも、開きを我慢してついてゆくことができます。 ＜上半身＞　☆☆☆ 　打撃の準備である「トップ」の作り方には無理がなく、とても自然体。少しボールを捉えるまでには遠回りですが、バットの先端であるヘッドは下がっておらず、悲観するほどではありません。 　しっかり最後まで振り抜けており、鋭い打球で打ち返します。ただし無理にヘッドを立てようとして、ボールを引っ掛けることが多いのは気になります。 ＜軸＞　☆☆☆☆ 　足の上げ下げは小さく、目線の上下動には問題なないのでは。体の開きも我慢でき、軸足の形も大きくは崩れません。

最後に

　努力して今の地位を勝ち取った点は、それなりに評価したいところ。走・守・肩ともバランスは取れていますが、少し打撃が弱いように思います。 　プロ志望届けは提出しておりますが、ドラフト指名となるとまだまだ力不足。ここは、BCリーグなども視野に入れて、プロへの道を一歩ずつ昇ってきて欲しい。