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卒業生
柏原 史陽

柏原 史陽(桐光学園)

都道府県:
高校:
学年:
2012 年卒
ポジション:
投手
投打:
右/右
身長:
174 cm
体重:
70 kg
データ最終更新日:2011年8月2日

寸評

 2011年度の神奈川の高校球界でも最も速い球を投げるのが、今回ご紹介する 柏原 史陽。中背でガッチリした体格から、コンスタントに140キロ台のストレートを投げ込んでくる。これだけのスピードボールがありながら、全国的にはその名は知れ渡っていない。それは何故なのか、今回は考えてみた。

(投球内容)

 グラブを上に突き上げたフォームから繰り出されるストレートは、MAX144キロを記録。自慢のストレートで、グイグイと押して来る。ただこのストレートが、高めに浮く傾向があり、それほど打者も苦にならず芯で捉えてくる。確かに手元での伸びやキレで空振りを誘うと言うほどではないが、ボールには勢いがある。変化球は、フォークなどの縦の変化に加え、カーブ・スライダーなど。投球の多くは自慢のストレートなのだが、この球を打たれることが圧倒的に多い。

 その原因は、真ん中~高めに浮くだけでなく、両サイドへの投げ別けもできておらず、真ん中高めの打ちゴロのゾーンにボールが集まるからだ。更に相手打者を警戒させるような変化球にも乏しく、ストレートに山を張った打者達の餌食となる。ただ県下を代表する強豪校のエースだけに、しっかりランナーが出れば、目配せをして走者を牽制。クィックも1.1秒台前後でボールを投げ込んで来るなど、まるっきり野球センスに欠けると言うことはない。投球における「間」などはあまり意識はされていないが、マウンド捌きが悪いとは思えない。

(投球フォーム)
 
 それならば、投球フォームに大きな問題があるのだろうか?引き上げた足を少し二塁側に送り込み過ぎるきらいはあるが、お尻は一塁側に落とせている。そのため見分けの難しいカーブや縦の変化で、投球の幅を広げて行くことは期待できる。更に「着地」までの粘りも悪くはないので、けして打者からタイミングが合わせやすいと言うほどではない。

 ただ制球がアバウトなのは、抱えたグラブが最後までしっかり抱えられていなかったり、足の甲での地面の押しつけも浮き気味で、ボールが上吊りやすい要因を作る。指先の感覚もよくはなく、確かに細かい制球はつけにくい。しかし一番の問題は、テイクバックした時に、グラブを大きく上に突き上げる動作にあり、その時に前の肩は上に上がり、後ろの肩は下がると言う、まるでやり投げのような遠くに投げる形になっているからだ。マウンドより低いところに投げ降ろすことが求められる野球において、これではボールが低めにコントロールできるはずがない。

 「着地」までの粘りは悪くなく胸も大きく張って投げているので、体の「開き」は早すぎることななく、これが球速の割に打ちやすい要因だとは考えられない。ただ腕の角度に無理があり、体への負担は大きなフォーム。故障の可能性が高いので、アフターケアに充分注意したい。腕の振り下ろし自体は好いので、もう少し変化球が生きてもいいはず。ただ中背でも速いボールが投げられるのは、「体重移動」などが上手く行き、エネルギー伝達が上手いからだろう。

 非凡な球速がある割に、打者が苦になく打ち返すのは、投球フォームの問題よりも制球の甘さや単調なコンビネーションにあると考えた方が、この選手の場合は良さそうだ。これだけの球速があっても、全国的に話題にならないのは、やはり総合力で、まだまだ課題が多いからだろう。

将来の可能性

 現状はまだストライクゾーンの枠の中に、ただ速いボールを投げ込んで来るだけといった単純なもの。そのため変化球の精度・制球力の細かさ・投球術の巧みさなどの技術は極めて低い。今後は、大学などに進んでスピード能力を磨くことよりも、スピードボールをより効果的に活かす術を磨いて頂きたい。その方向性で取り組んで行けば、まだまだ好い投手になれる可能性は秘めているだろう。高校では全国区になれなくても、大学や社会人でなればいい。そういう期待を、この選手にはしてみたい。

情報提供・文:2011.07.27  蔵建て男
  • 2011 年 7 月

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