渡辺 真也選手 (履正社)

渡辺 真也

球歴:履正社

都道府県:大阪

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:172.0 cm

体重:65.0 kg

学年:卒業

寸評

履正社のエース飯塚孝史がベストコンディションではないなか、選抜ベスト4まで勝ち進むことができたのはこの男の存在が大きいだろう。背番号18の渡辺真也。左腕から切れのある直球と変化球を投げ分けて緒戦・総合技術戦で完封を果たした。全身の柔軟性が素晴らしく、肩、肘が柔らかいのは勿論、股関節を柔軟に使いながらキレの良いストレートを投げる。この柔軟性を損なわずに力強さが増していったら面白い存在になるかもしれない。 左スリークォーターから投げ込む速球は常時120キロ後半~135キロ前後(マックス138キロ)を計測。変化球は115キロ前後のスライダー、90キロ前後のカーブ、110キロ前後のチェンジアップ、115キロ前後のスクリューを投げる。球種は実に多彩だ。ストレートのキレは中々のものであり、クロスに決まる速球には光るものを感じる。ストレートとほぼ同じテンポ・同じ腕の振りで変化球を投げ分けることができるために更に打ち辛さを増している。腕の振りを緩まずに投げられるカーブ、肘が下がりやすいスライダーを多投しないことが一定としたフォームで投げられるのではないだろうか。彼はサイド・オーバーを使い分けていてもフォームが崩れる事は少ない。安定性はかなり光る。 (クイックタイム・フィールディング) クイックは場面に応じて足上げ・クイックを投げ分けたりしている。牽制もしっかり入れるし、目配りができている。フィールディングの動きも良く、強豪校の投手らしく、細かい部分まで鍛えられている。 (打者への攻め) ・右打者 外角中心にストレート、スライダーを投げ分けながら、サイドからクロスに決まる直球を投げて体を起こしてスクリューで打たせて取る配球だ。 ・左打者 左打者には対角線を存分に活かす配球。オーバースローでストレート、チェンジアップを投げ分けながら、虚を突くようにサイドからクロスに決まる直球で見逃し三振を奪う配球だ。 総合技術戦では両サイドへのコントロールが光っていた。準決勝の東海大相模戦も両サイドへの投げ分けはできていたものの、相模の打撃がそれよりも上回っていた。ストレートのキレが本調子でもなかったのも打ち込まれる一つの要因になっていた。 (投球フォーム) ノーワインドアップから入る。右足の膝をやや跳ね上げてから、右足を回しこんで上げていき、左足の膝を適度に曲げて立つ。右足を一塁方向に伸ばしていきながら、身体を沈み込ませてインステップしていく。右腕のグラブを斜めに伸ばして引き込んでいき、左ひじをやや引き上げてトップに持っていき、サイド気味に腕を振っていく。軸足のスパイクを押さえ付けて体を浮かせないようにしている。この投手はプレートをしっかりと活用した投手であり、一塁側に立ってオーバー気味に投げたり、サイド気味に投げたりと場面に応じて腕の振りを変えて打者を幻惑している。なかなか実戦度の高いフォームをしており、高校生らしくない大人のフォームになろうとしている。しっかりと体幹部分を鍛えて芯がビシッとしてくれば更に良くなる可能性はある。
更新日時:2011.06.27

将来の可能性

ストレートのキレ・変化球のキレ・制球力の高さ・投球以外の技術の高さは高校生左腕として高いレベルに到達しており、フォームも打者を幻惑する工夫が見られる。またこのフォームは体の硬い選手、体の使い方を知らない選手が実践することは難しい。体の柔軟性、使い方の意識の高さも見られ、あとは投手として力強さが出てくると大学・社会人レベルでも活躍が期待できる好投手ではないだろうか。今後も追いかけていきたい選手の一人である。
更新日時:2011.06.27

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