健大高崎vs樹徳
健大高崎と樹徳の強豪同士の一戦はドロー!両チームの主力選手が活躍見せる!
![健大高崎vs樹徳 | 高校野球ドットコム](/hb/images/report/zenkoku/20201107001/large01.jpg)
樹徳4番・佐藤
関東王者に輝いた健大高崎。そのライバルであり、今秋の県大会はベスト8まで勝ち上がった群馬県内屈指の強豪・樹徳。群馬私学大会の第1試合で激突したが、序盤は健大高崎ペースになった。
初回、健大高崎は1番・堀江 晃生がいきなりライトへのホームランを放ち、幸先よく先制する。関東大会でも2本のホームランを放っている堀江は思い切りの良さが何よりも光る核弾頭。実際に打撃フォームを見てみると、肩と同じくらいか少し低いくらいでバットを立てた状態で構える。そこから思い切りよく振りに行くわけだが、レベルか若干アッパーに近いようなドライブ回転をかけるようなバッティングで打球を飛ばしていく。高めのボールにもうまく合わせていく技術もあり、関東大会で2本放った実力は納得いくものだ。
その後、4回には8番・高村 尚杜がライトフェンスに突き刺すホームランなどで3点を追加。味方ベンチからも「エグイ」の一言が飛び出すほどの当たりだったが、テイクバックをあまり引くことなく、少しバットが寝た状態で回しながらタイミングを測り、一気に捉える髙村。流し打ちをしやすそうなフォームとはいえ、それで外野の頭を超すのだから、持っているパワーは相当のものではないだろうか。
その後、5回には5番・森川 倫太郎のタイムリーで2点を追加すると、6回には3番・櫻井 歩夢の一発などで3点。遂に2桁10点に到達した健大高崎。櫻井は他の打者と違い、少しバットを低い位置に構えながら、少しテイクバックを取って距離を作ってバットを走らせる。速めにすり足でタイミングを取っても手元まで引き寄せたポイントまで最短でバットを出して、押し込んでいく強打者だ。
これだけの力を持った選手がそろっている健大高崎。やはり恐ろしいと改めて確認できたが、樹徳打線も負けていなかった。
7回、1番・津田のタイムリーなど打者14人の猛攻で一気に9得点と1点差まで詰め寄ると、8回には4番・佐藤の一打で遂に追いついた。一気に攻め立てる集中打が光る打線だったが、なかでも注目したいのが1番・津田と4番・佐藤の2人だ。
1番・津田は鋭いスイングが光る好打者。肩と同じくらいの高さでバットを立てた状態で構え、テイクバックを引くことなくピタッと止まった形ででタイミングを取るって手元までボールを引き付けると、上からきっちりと叩くスイングでボールを捉えていく。守ってもショートで肩の強さを活かしたスローイングと、球際の強さが光る強打の遊撃手。攻守の要と言っていいだろう。
そして4番・佐藤は打席の中での佇まいなど、スラッガー気質の選手と言ってもいい選手だ。スクエア気味のスタンスで、上半身は適度にリラックスした状態でゆとりを持った構えから、すり足でタイミングを測る。懐の深さを活かして手元までボールを引き付けると、鋭いスイングでボールを捉えてボールを運んでいく。バットとボールの接地時間に長さを感じさせるバッティングで快音を響かせる。
1番・津田は6打数2安打、4番・佐藤は5打数3安打とそれぞれの活躍などがあった樹徳。試合は10対10から互いに1点を加えて11対11の引き分け。健大高崎は途中からメンバーを変ながらではあったが、対戦した樹徳にとっては大きな収穫だった。
監督の井達も「関東大会で勝っているチームの打力は興味あったと思いますので、自分たちと比較してどうなのかと選手たちは思っているんじゃないでしょうか」とコメントをしている。1番・津田、4番・佐藤だけではなく、全体として打撃に力を入れている印象の樹徳。全国屈指の攻撃陣を目の当たりにして何を吸収したのか。その答えは春に見たい。
(取材=田中 裕毅)