二松学舎大附vs開成

片井 海斗

〈春季高校野球東京都大会：二松学舎大附12－0開成〉◇5日◇2回戦◇駒沢

　昨年夏の東東京の王者、二松学舎大附が開成との初戦を迎えた。二松学舎大附の注目の選手は1年の時から4番打者を任されている片井 海斗内野手（2年）だ。先発は大内 啓輔投手（2年）が抜擢された。

　対する開成の先発は吉川 剛史投手（3年）だ。

　初回から試合が動いた。二松学舎大附は1回裏、1番・中川 龍斗内野手（3年）が四球で出塁し、2番・柴田 壮太郎内野手（3年）の初球に中川が二盗を決め悪送球の間に三塁へ進むと、柴田が先制の中前適時打。1、2番で先取点を挙げた。続く3番の住吉 健太郎外野手（2年）が死球。ここで注目の4番・片井に打席が回る。2ストライク2ボールからの5球目をたたくと、中前適時打に。注目の打者が1打席目から快音を響かせるなど、1回裏に一挙5得点を挙げた。打線はその後も攻撃の手を緩めることなく4回まで毎回得点の12得点を奪った。

　先発の大内は4回を投げ無失点。1安打を打たれるも牽制でアウトにし、4回まで打者12人で終わらせた。5回は2番手の祖父江 広都投手（2年）がマウンドに上がり、5球で3人の打者をアウトに取り5回コールドでゲームセット。投手陣のテンポのいい投球が、攻撃の良いリズムを生んだ。

　二松学舎大附の市原監督も、初戦としてはまずまずの内容だったと評価した。

　「得点がタイムリーで点数が取れたこと。ただ打つだけではなくてサインを皆それぞれが役割をまっとうしてくれた。点数差がつきましたけど、攻撃の時も守備の時も締まっていて良い試合展開ができた。後は何はともあれ初戦なので、どんな大会でも緊張してしまうなか、自分たちの気持ちをコントロールしてできたんじゃないかなと思います。
　次の試合がどうなるかわからないですけど、力のあるチームがいずれにしろ上がってくると思うので、今日と同じように自分たちのやれることをやっていきたい」。

　1、3打席目で快音を響かせた片井は「手応えはとてもよかった。最近、バッティングの調子が悪く、自分のスイングができていなかった。でも今日は自分のスイングができ、ファウルにしてもタイミングが合っていて、修正ができ、自分のタイミングの中で整理ができた」と振り返った。

　これから勝ち進んでいけば好投手との対戦も増え、より一層、二松学舎大附の片井の打撃に注目が集まる。市原監督の采配がこれからどのようになるのか、選手たちの成長ともども楽しみだ。

（取材＝鎌田 光津希）