桜美林vs都立片倉
桜美林 都立片倉・ジョンソンの初回の力みを攻略して4回戦進出
桜美林・紺野翔大が生還してコールド成立
<第104回全国高校野球選手権西東京大会:桜美林7−0都立片倉(8回コールド)>◇19日◇3回戦◇多摩一本杉
好投手・ジョンソン マークス太一を擁する都立片倉と桜美林の一戦。桜美林はコロナ禍で思うように練習ができず秋と春は1次予選の初戦で敗退している。とはいえ、甲子園での優勝経験がある古豪だけに、好投手をどう攻略するか、注目の一戦となった。
しかし勝負の流れは初回で決まった。桜美林の先発・糸谷 春樹から都立片倉の3番・湯地 詠斗が四球、4番・松永 睦生が内野安打で2死一、三塁となったが、一塁走者の松永が二盗すると、三塁走者の湯地が本塁を突きアウトで無得点。「あれはダブルスチールを狙ったのでなく、三塁走者が出てしまっただけです」と片倉の宮本 秀樹監督は言う。
その裏、桜美林は1番・香川 太佑、3番・小平 創、4番・紺野 翔大がいずれも中前安打を放ち、1点を先制する。片倉の先発・ジョンソンは腕がよく振れた投球フォームが持ち味だが、「腕が振れていませんでした」とジョンソンは言う。さらにバッテリーエラーで桜美林が1点を追加。6番・安藤 丈瑠の内野安打もあり、この回3点を入れる。「(ジョンソンは)気持ちが入り過ぎてしまいました」と片倉の宮本監督は言う。
ジョンソンは2回から落ち着きを取り戻し、鋭いスライダーを決めて桜美林に追加点を許さなかっただけに、立ち上がりの投球が惜しまれる。
桜美林の糸谷はフォームとしてはスリークォーターだが、腕は横から出ている。「肘、腕を長く使うことを意識しています」と糸谷は言う。糸谷は走者を出しても、しっかり要所を締め、得点を許さない。
片倉のジョンソンは6回を投げて96球と球数がやや多く、7回裏には左腕の高岡 大が登板。高岡は、球威はあるものの乱調で、四球で2人の走者を出した後、1番・香川に二塁打を打たれ2人が生還。
8回裏には片倉は下手投げの藤田 遥大を投入したが、2人の走者を置いて吉田 航が二塁打を放ち桜美林が2点を追加。8回コールドが成立した。
結果としてコールドゲームになったが、力はそれほど差があったわけではない。片倉は初回の失点が惜しまれるとともに、攻撃力アップが課題として残った。
桜美林としては秋、春と勝てなかっただけに、勝って自信をつけることの意味は大きい。翌日は4回戦を戦わないといけないが、桜美林の片桐 幸宏監督は、「ベストを尽くして、楽しめばいいです」と語った。
(取材=大島 裕史)