試合レポート

関東一vs修徳

2021.11.01

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関東一が先発全員安打に足技で修徳に5回コールドの圧勝

関東一vs修徳 | 高校野球ドットコム
関東一・桝川颯太

 下町の私立の強豪対決。この夏の東東京大会では準決勝で対戦し、この時は4対1で関東一が勝っている。近年は関東一が優勢だが、好ゲームになることが多い。けれども今回は一方的な展開になった。

 関東一は左腕の桝川颯太が先発した。桝川が先発するのは1次予選の代表決定戦以来になる。「先発は、昨日の夜言われました。緊張より、楽しみという気持ちの方が大きかったです」と桝川は言う。現在のところ、チームで一番安定した投球をしているのが桝川だ。桝川はそうした期待通り、1回、2回は三者凡退。3回表は安打を1本打たれたものの牽制で刺し、3人で切り抜けている。

 対する修徳は、3回戦に続き身長191センチの長身の1年生、背番号10の篠崎国忠が先発した。雨が降り続く中で始まった試合。修徳の守備の乱れに、関東一が足でかき回し、2回裏にビッグイニングを作る。この回先頭の5番の秋葉晧介が三失で出塁すると、6番の田野裕真が右前安打。雨で外野の芝が滑りやすい中、右翼手が打球の処理を誤り秋葉は生還、田野は二塁に進んだ。続く7番・三浦麟のバントは内野安打になり、三浦は二盗で二、三塁。これまで3、4番を打っていたが、この試合は8番になった須藤彪の中前安打で1点追加。9番・桝川のセーフティースクイズが内野安打になり、さらに1点。1番・井坪陽生が四球の後、2番・柳瀬冬和の左前安打で2人が生還したうえに、レフトから三塁への送球ミスがあり、井坪も生還してこの回6点目。

 ここで修徳は投手を背番号1の竹澤尚輝に代えたが、3番・富岡大阿に二塁打を打たれ、この回大量7点が入った。

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修徳・篠崎国忠

 関東一は3回裏、四球の7番・三浦がすかさず二盗し、8番・須藤の中前安打でさらに1点を追加した。上位打線の時は不振だった須藤は、下位になりすっかり調子を取り戻した。「彼が打ったことは、チームにとってもプラスです」と、関東一の米澤貴光監督は言う。

 押される一方であった修徳は、4回に3番・佐藤大空の左前安打に、遊失などがあり1点を返す。佐藤は関東一の夏までのエース・市川祐から本塁打を打つなど、東京を代表する強打者だ。

 1点を失った関東一であるが、4回裏に3番・富岡、4番・増尾己波の連打に、5番・秋葉の二塁打でさらに2点を追加。関東一はこれで先発全員安打を記録した。

 5回裏も2つの四球に犠打が野選となり、無死満塁。1番・井坪の中犠飛で1点を追加。雨中に行われた試合は、5回コールドが成立した。

 修徳は守備の乱れと、関東一の足を使った攻撃に敗れたが、「夏の大会の後、ポジションを代えたところでミスが出ました。それにスピードの部分では、対抗しきれませんでした」と、修徳の荒井高志監督は言う。また中心打者の佐藤は、「悔しいの一言です」と語った。修徳は、佼成学園などを破って準々決勝まで進出しただけに力はあるはずだ。この敗戦からチームをどう立て直すか、荒井監督の手腕が注目される。

 勝った関東一は準決勝で二松学舎大附と対戦する、二松学舎大附は、夏の東東京大会の決勝で敗れたチーム。「力は向こうが上だと思って、挑戦者としてぶつかっていきたいです」と米澤監督は語る。まさに宿命のライバル対決になる。


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修徳・竹澤尚輝

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適時打を打つ須藤彪

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関東一1番・井坪陽生

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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