試合レポート

鹿児島玉龍vs川内商工

2020.07.25

真骨頂の「我慢」を発揮・鹿児島玉龍

鹿児島玉龍vs川内商工 | 高校野球ドットコム
鹿玉龍2点目・仮屋 タイムリー

 2回裏、川内商工はファーストストライクから果敢に打っていく積極的な攻撃で2つのエラーを誘い、先制した。

 5回裏は7番・川畑遊二郎(3年)が先頭打者ホームランで追加点を挙げた。前半5回までは川内商工のペースで試合が進んだ。

 グラウンド整備後の6回表、鹿児島玉龍が反撃に転じる。
 一死から四球、ヒット、内野ゴロで二死二三塁。4番・永井克幸(3年)が申告敬遠で満塁と一打同点、逆転のチャンスを作る。5番・仮屋慶志朗(2年)がレフト前2点タイムリーで同点、6番・荒川虎太郎(3年)がレフト前タイムリーで勝ち越し、連続タイムリーで逆転に成功した。

 その後、追加点は奪えなかったが、尻上がりに調子を上げたエース末永悠翔(3年)が6回以降追加点を与えず、7~9回は三者凡退で打ち取って接戦をものにした。

 鹿屋中央戦に続く逆転、1点差での勝利。鹿児島玉龍の谷口裕司監督は「我慢の野球がうちの真骨頂。選手たちがよく集中力を発揮してくれた」と選手の健闘をたたえた。

 守備ではエラー、攻撃では走塁ミス、前半5回は攻守のかみ合わない野球だった。

 「後半から野球を変えるぞ!」
 グラウンド整備中に谷口監督が檄を飛ばす。直後の6回表は前半のような淡白な野球ではなく、一死から粘って満塁のチャンスを作り、仮屋、荒川が連続タイムリーで期待に応えた。立ち上がりは力みもあったエース末永も6回以降は「相手の打者を見て冷静な投球」(谷口監督)ができるようになった。

 「ミスはあったけれど我慢はできていたから大丈夫。5点差をひっくり返した自分たちなら逆転できる」とベンチの有嶋瞭主将(3年)は確信していた。昨秋、シード校でありながら同じ公立の枕崎に終盤畳みかけられてコールド負けして以降、日頃の練習から「我慢!」を言い続け「どこよりも質の高い練習」をこなしてきた自負があった。

 一昨夏ベスト16、昨夏ベスト8で、今年は1つ上のベスト4を勝ち取った。更なる高みを目指し、同じ公立の国分中央に真っ向勝負を挑む!

(取材=政 純一郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.28

【大分】佐伯鶴城は4戦3勝、杵築は4戦で1勝<強化試合>

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.28

【北海道】北海が逆転勝利、27連勝で4季連続V達成<春季全道大会>

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.25

【岩手】盛岡大附がサヨナラ、花巻東がコールドで決勝進出、東北大会出場へ<春季大会>

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商