大金星を勝ち取った田中采配

 さすがはセンバツ優勝経験をもつ田中秀昌監督である。

第93回全国高校野球選手権大阪大会決勝は、東大阪大柏原・田中監督の采配がさえた試合だった。

 まず、試合の始まりから、田中采配がズバリと当たる。
1回裏、1死から2番・末武が出塁すると、3番・花本太のところでエンドランを仕掛け、これが成功。1死・1,3塁の局面を作ったのだ。ここで、4番・石川慎が中前適時打を放ち、1点を先制。手堅く送ってではなく、いきなりの仕掛け。見事な先制攻撃だった。この作戦を田中監督はこう説明する。
大阪桐蔭という横綱相手に1回から送りバントじゃどうにもならないと思って、動かしたろと思って、攻めました」。

逆転されてしまうのだが、この攻撃があとあと響いてくる。

3回表、大阪桐蔭は反撃。失策からの走者で好機をつかむと、5連打で4得点を挙げたのだ。

 しかし、ここでも、田中采配は冴える。
今大会、これまで奮闘してきたエース・福山を下げたのだ。決勝戦で大敗するチームによくありがちのケースだが、決勝戦となるとやたらとエースにこだわり過ぎる起用をする監督がいるが、田中監督はあっさり代えたのだ。
「4連打なら、まだ我慢したのかもしれません。5連打だったからね。それに、もともと、福山一人で今日の試合が抑えられるとも、思っていませんでしたから。スパッと変えました」

代わりに登板した白根は4回表に、2失点を喫してしまうが、そこからは粘り強く投げた。