
今村信貴(太成学院大)
09年夏には、春からウナギ昇りに評価を挙げて、注目を浴びた関大一の西田 哲朗(楽天)が、その夏、初スイングで本塁打を叩きこむと、そのままサイクル安打を達成した。
当時の山田は「(初戦の大記録達成に)意外とフツーでした」といつもと変わらぬ戦えたと主張し、西田は「スカウトがたくさんこられるのを知っていたので、自分の力を見せつけよと思った」と話したものだ。相手が格下だったという風が吹いていたとはいえ、大会前から新星として注目されても、初戦から変わらぬポテンシャルを発揮できたことは、彼らの強さを示す一つのポイントだったといえる。
PL学園や大阪桐蔭などの強豪校のように、常日頃からプレッシャーを浴び続けているチームとは事情が違う。
いつもは平凡な日常を過ごしている彼らが、一時的に脚光を浴びる。その中で迎える夏というものが、どれほど、「いつもと違う」空気が漂うか、想像できるというものだ。