今村(太成学院大高)

今村信貴、原点回帰の春

 「(全体には)力を抜いて、リリースの部分だけ力を入れる投球ができ、コースに投げ分けて打たせて取ることができたと思います」。
3安打1失点(自責点0)で金光大阪を破った太成学院大高今村 信貴(3年)の春初戦での感想である。

昨秋の府大会でベスト8に進出した最速140キロを超える左腕はこの春、関西だけでなく、全国から一目置かれる存在になっていた。
3月半ば、選抜大会を控えた光星学院(青森)、日大三(東京)、横浜(神奈川)が太成学院大高と練習試合を組んだ。普段から定期戦を組む光星学院だけでなく、日大三横浜といった甲子園優勝経験校がこのチームと組んだのは、ひとえに今村の存在があったからと推測できる。中止にはなったが、東北(宮城)も予定には入っていたほどだ。

その強豪と手合わせした太成学院大高
マウンドを託されるエースは、この春の大会に挑むにあたって、原点回帰を誓っていた。

きっかけは3月20日の日大三戦。先発して7回まで投げたが、二桁失点を喫し大敗。
「相手を抑えようと力が入ってしまい、自分の投球ができなくて悔しかった」とこの時を振り返る。以来、スピードばかりを追い求め過ぎて、本来の投球を完全に見失うようになったという。
この先、必ず140キロを優に超えるスピードが出てくる投手と今村を評する仲辻宏之監督や石田寿也部長は、「球のキレと質を考えて投げるように」と諭した。

 今村自身が我に返ることができたのは4月になってから。この春の大会は冬場の成果を試すと同時に、原点に立ち戻った投球を頭に入れたようだ。
「スライダーのキレが良かったし、変化球で空振りも取れた」とその成果を口にした今村。仲辻監督も、「四球が少なかったのは、良かったところ」とこの日のピッチングを評価した。