1年生28人の西野田工科が初陣!5回コールド負けも将来につながる試合に

 今春4強の大体大浪商と3回戦で激突し、9対7の打撃戦を演じた大阪と、ベンチ入り登録全員が1年生の西野田工科の対決。

 西野田工科の部員は28名。それも全員1年生だが、これは山本聡士監督の地道なリクルート活動が実ったものだ。山本監督は30年以上も監督を経験しているベテラン指導者。高校の監督時代は左腕・松川誉弘(元埼玉西武)を育て上げた実績があり、2008年には羽曳野高校の監督として、南大阪大会ベスト4に導いている。

 そんなベテラン監督が、昨年から西野田工科の監督に就任。昨年は部員数が少なかったため、山本監督は翌年を見越して、中学、中学硬式のチームに足繫く通った。中学は100校以上、中学硬式は50チームほど。山本監督の指導力は中学野球の指導者から大きく信頼されており、リクルートの成果もあり29人が入部した。1人退部したが、それでも、野球人口減少が著しい現代で、28人もの新入部員が入るというのは素晴らしい快挙である。

 山本監督は「ありがたいことに多く来ていただきました。1つは最初にできた工科高校で、就職に強い学校だということ。次に時代の僕のことを知っている当時の高校生、若い人たちが親となって、西野田工科に送り出してくれたんです」
 そして迎えた初戦。山本監督としては「勝敗云々というよりまずどれだけできるか。すべては勉強のつもりで臨みました」と話す通り、試合は大阪ペースとなった。

 1回表、大阪は一死満塁のチャンスから5番三枝優大(1年)が豪快に振りぬいた打球はレフトの頭を超える適時二塁打となり、3点を先制する。その後も押し出し死球で1点を追加するなど、一挙8得点。

 2回表も犠飛で1点を追加するなど打線の勢いは止まらず、4回までに15点の大量リードとなる。

 反撃に出たい西野田工科だが、大阪のエース・保手濱陸(3年)が投じる120キロ後半の速球を前に打ち崩せず、3回まで無得点に終わる。しかし4回裏、西野田工科が意地を見せる。無死一、三塁のチャンスから3番小川諒(1年)が左前適時打を放ち、待望の1点を返す。大量点差をつけられたが、打って1点をとったことには大きな価値があっただろう。さらに満塁のチャンスからワイルドピッチで2点目をもぎとる。しかし追い上げもここまで。

 5回コールド負けとなったが、将来性を感じる試合だった。山本監督は「元気を出してやってくれたと思います。1年生なので、まだまだなところはありますが、来年の秋には勝負ができるチームになれればと考えています」

 長期的な視野をもってチームを育て上げることを明かした山本監督。適時打を放った小川や強肩が光る南颯太(1年)など能力が高い選手も見られた。果たして1年半後、勝負ができるチームへ育っているのか、注目だ。

■開催期間:2019年7月6~7月28日(予定)

2019年 第101回 全国高等学校野球選手権 大阪大会(三回戦まで)
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(文・=河嶋 宗一