玉城 大夢選手 (浦添商)
短評
(コラムより抜粋 2010年06月19日) 練習を見ていて最も気になった選手がキャッチャーだった。絵に描いたような「ドカベン」。大きな体だが、足は遅くない。ファーストへのカバーリングも遅れることはない。玉城大夢はキャッチャーで入学したが、昨年はファーストのレギュラー。打順は4番を打った。破壊力抜群の打力が魅力的だが、肩が弱かった。この冬でスローイングが良くなったことで“本職”に戻った。 「流しても引っ張っても、広角にホームランを打てる。打率も高い。キャッチャーでいい味出している。2年生だけど、指示も出せて」と神谷監督は評価する。 グランドの打席から105メートル先のネットは軽々越える。大分、高さもあるが、推定飛距離130メートル弾。竹バットで放り込んでしまう。学校長が観に来た紅白戦でも2本塁打でかさ上げアピールをしたという。 「4番なんで。自分が思いっきり振って、ピッチャーにプレッシャーを与えたい。当てにいくとピッチャーを助けてしまう。怖いなと思われる4番バッターになりたい」。 大きな夢を持ってほしいと名づけられた「大夢」で「ヒロム」。166センチ、90キロ弱は横に座っている姿は丸くてかわいい。だけど、きっと、打席に立つと目つきが変わり、体中からオーラを出して、もっと、もっと大きく迫力のある姿になるのだろう。
更新日時:2010.12.07
寸評
小柄ながらパワフルな打撃と勝負強さを兼ね備え、前チームでも不動の4番に座っていた選手。 既に昨夏から中軸として出場しており、打席での1年生とは思えないほどの堂々とした風格がある。 人を惹きつけるものがあり、将来のポテンシャルを感じさせる選手です。 <現状> 体格こそ恵まれていませんが、監督が「今まで見てきたなかで一番の打者」というほど県内でもその力量は抜けたものがあります。 軽く膝と腰を曲げ気持ち分開いて構え、グリップの高さは肩よりやや上くらいか、投手がモーションに入って時に左足をクローズ気味に移動させ、投手が着地した直後に始動する選手。足もあまり上げないので目線も大きくぶれない。ただ、グリップが内に移動しておりそのタイミングもやや遅いので少し立ち遅れてしまうのと、内の特にインハイ辺りを上手く捌けないのではないと感じます。 しかし、スイングは非常に鋭く力強い。また足元もぶれておらず捉えた打球の球足は速い。膝もぎりぎりまで開くのを抑えているため体も開かず、しっかりと腰も回転しておりスイングのフォロースルーも大きいので遠くまで飛ばすことができます。基本的には強打者らしく点で捉える選手のため打ち損じることも多いが、やはり嵌った時の打球には素晴らしいものがあります。 頭の位置もそこまで動かさず目線もストライクゾーンに近いので甘い球は逃しません。そういった部分もしっかりできている選手です。 166cmという身長に対して90kgという体重なので、少し締りが無い体型と思われるかもしれませんが、決してそんなことはなく特にお尻周りが充実していてかなり引き締まっております。日頃から振り込んできているんだろうなと感じさせる選手です。足も決して遅いわけではないです。 彼の素晴らしいところはそのパワーもあるのですが、一球を逃さず仕留めるその集中力の高さにあります。特に得点圏に走者を置くと勝負強さを発揮し、観ているこちらも彼に廻れば何とかしてくれるのではないかと期待感を持ちます。 打席に入るとしっかりと足場を馴らし、一球ごとにも作るので非常に意識が高い選手だと感じさせます。浦添商の持ち味である一塁までの全力疾走も欠かしませんし、隙が無い選手だなという印象が強いですね。そういったところをあって監督が一番の打者と評しているのではないでしょうか。 また、春から4番を任されており2年生ですが攻守両面でチームを引っ張る意識を持った選手でした。新チームになってそういった部分が更に強くなっているように感じます。 捕手としての力量はまだまだだと感じる部分もあるのですが、徐々に伸びてきているなと感じます。キャッチングも安定してきましたし、リード自体はそれほど悪くないと思います。ただ、一番の課題はバウンド処理ですね。ちょっと腰を深く落としているのでやや立ち遅れ気味です。肩は強いのですが、送球の安定感には欠けるかなと思います。 間を取ったりするタイミングも悪くなく、試合の展開や流れを読んでタイムなどを使っているように思えます。3年生がいた時から自ら皆を集めてタイムをとったりとチームを引っ張る意識が非常に強い選手だと感じさせました。 中学も捕手をやっていた選手、今後どこまで捕手としての力量を備えていけるかが重要になると思います。
更新日時:2010.12.07
将来の可能性
打者としての力量はかなり高いものがあります。対応力もあるタイプなので穴自体はそこまで多くは無いです。 ただ、トップの形成が遅めなので、球威のある投手と対戦すると差し込まれ気味になってしまうかもしれません。また、内を突かれるとそこまで対応できないのではないかと思うので、そこが大きな課題となってくるのではないでしょうか。 守備面では、どこまで捕手としての力量を高めていくかが重要になると思います。 非常に意識の高い選手なので順調に伸びてくると期待しています。 体格にこそ恵まれておりませんが、非常に惹きつけられる選手です。 良い打者だなと感じさせる選手は多くとも、見ていて惹きつけられると感じさせる選手はそうは多くないと思います。 彼は後者なのでこれからもどういう風に成長していくか楽しみな選手です。
更新日時:2010.12.07
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