小孫 竜二選手 (遊学館)
寸評
夏の甲子園では、2試合に登板。緒戦の九州学院戦では、全国大会の経験豊富なメンバーに対し、2失点完投勝ち。しかしながら続く試合では、優勝した東海大相模に打ち込まれ最後の夏を終える。そしてこの秋、プロ志望届けを提出したことで、再び注目されることになる。 (第一印象) この選手が素晴らしいのは、左打者外角に決まる、ストレートのコントロールの良さ。夏の甲子園でも、12回2/3イニングで、四死球3つと安定。この制球の良さから、彼の投球を支えている。 (投球内容) オーソドックスな右上手投げから、常時130キロ台後半~MAXで146キロまで到達。何か際立って球質に優れているわけではないが、両サイドにボールを散らせてくる。変化球は、曲がりながら沈むスライダーでカウントを整え、縦に切れ込むスライダーと二種類の使い分け。課題は、カウントを整えるためのスライダーが甘く入って打たれるケースが多いのと、縦に切れ込むスライダーが早く曲がり過ぎて見逃されてしまうことが多いこと。 <長所> 1.0秒前後で投げ込んで来る、高速クィックの速さは特筆もの。これに関しては、プロに混ぜても上位レベルのスピードがある。 グラブを最後まで内に抱えることで、両サイドの投げ分けが安定。足の甲でもしっかり地面を捉えることができ、力を入れて投げてもボールが上吊りません。本格派でありながら、コントロールに不安がないところは多いなる強味。 <課題> 振り下ろし腕が体にあまり絡んで来ないなど、腕の振りがもう一つ。スライダーが見極められてしまう1つの要因に、腕の振りの鈍さから球種が見極められている危険性を感じます。いずれにしても強く腕を振れるというのは、投球で最も大事な要素だけに、意識して取り組んで欲しい。 「着地」までの粘りが淡白で、打者としては苦にならず合わせられるフォーム。より上のレベルを目指すならば、できるだけ粘れるフォームを追求すべきではないのでしょうか。
更新日時:2015.10.02
最後に
現状驚くようなボールは投げ込みませんし、これは!と思わせる絶対的な武器はありません。しかしもう少しボールに特徴が、フォームに嫌らしさが出てくれば、コントロールの良い投手だけに、面白い存在になりえるでしょう。 当日指名があるのかは微妙ですが、育成枠辺ならば話があっても不思議ではありません。投球の土台はしっかりしているので、割合短期間である程度結果が出るタイプではないのでしょうか。指名されてもされなくても、今後の活躍が気になります。
更新日時:2015.10.02