吉田 有輝選手 (履正社)

寸評

　チームの3番・遊撃手として、攻守の要的存在。選抜では打率.429厘を残し、その打撃が全国レベルであることを証明して魅せた。 　　 （第一印象） 　　 　柔らかいリストワークと膝の使い方に、非凡なものを感じます。こと打撃に関しては、ちょっと面白いものを持っていると思います。 　　 （守備・走塁面）　 　 　一塁までの到達タイムは計測できなかったが、それほど突出した走力があるようには見えません。実際に新チーム結成以来の30試合では、盗塁は僅か4個。数字の上からも、足でガンガンアピールするほどのものはないように思います。 　遊撃手としても、フットワークも何かフワフワしておりますし、肩も平均的。キャッチングもボールが手につかないことも多く、平均的な遊撃手といった感じで、ドラフト候補といった印象はありません。　 　　 （打撃内容）　 　 　やはり光るのは、柔らかさを活かした対応力。　 　 ＜構え＞　☆☆☆☆　 　スクエアスタンスで両足を揃え、グリップの高さは平均的。腰の据わりもよく、全体のバランス・両目で前を見据える姿勢など、理に適った構えになっています。　 　 ＜始動＞　遅すぎ　 　投手の重心が下るときベース側につま先立ちし、本格的に動き出すのはリリーフ直前と遅すぎます。　 　 ＜下半身＞　☆☆☆　 　始動～着地までの「間」がないので、打てるタイミングは限られます。それでも真っ直ぐ踏み出した足元は、インパクトの際にブレません。そのため外角や低めの球にも、喰らいつくことができます。　 　 ＜上半身＞　☆☆☆　 　あらかじめ「トップ」の位置にグリップを持ってきており、そこから振り出し始動の遅さを補います。バットの振り出しも、インサイド・アウトといった無駄のない軌道ではありません。それでもバットの先端であるヘッドを立てて、上手く外角の厳しい球や低めの球をもヒットゾーンに落とし　ます。　 　 ＜軸＞　☆☆☆☆　 　足の上げ下げは小さいので、目線は大きく動きません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足にも粘りを感じます。　

将来の可能性

　守備・走力に特別光るものはありませんが、膝・ハンドリングの柔らかさに加え、軸が安定しているのがよくわかりました。狙い球と違っていても、瞬時反応できる天性の能力を持っており、その辺は非凡な打撃センスの持ち主だと思います。ドラフト候補だとは思いませんが、中央の大学などで、野球を続けて行ける素材ではないのでしょうか。