東野 龍二選手 (履正社)
寸評
地球環境戦で先発として甲子園デビューを果たした左の技巧派。強烈なインステップから投げる130キロ台の直球とチェンジアップを巧みに投げ分けて打たせて取る投手だ。昨秋ではなんと球速が140キロ近くまで伸びた。秋では46イニングを投げて自責点はわずか2点という抜群の安定感を誇っており、選抜では注目投手の一人に入りそうだ。 (投球内容) 左スリークォーターから投げ込む直球は常時130キロ前後(最速135キロ)。変化球はスライダー、カーブ、スクリューを自在に投げ分けていく技巧派の投球スタイルで、狙い球を絞らせない投球を得意とする。 まだ制球力に甘さがあり、レベルの高い打線にはおっつけられて捉えられる事が多い。ここから140キロ近くまで速球が伸びたようだが、恐らく体がかなり大きくなったからだろう。選抜に出場した時から体は大きかったが、それよりも厚みが出てきた様子だ。さらに制球力も安定していて、46イニングで四死球は8個。出所は見難く、140キロ近く、変化球の精度も高く、新チームでは打ち崩しにくいものがありそうだ。 クイックは1.3秒台とそれほど早くはないのだが、適度にズバッと牽制を入れるなど投球技術は悪くない。 (投球フォーム) ランナーがいなくてもセットポジションから始動する。右足を高く上げていき、左足は一本足で経つが、やや棒立ち気味で、軸足の折り曲げが難しい。その後、右足を一塁方向へのばしていきながら、インステップして投げこむ。右腕のグラブを斜めに伸ばしていきながら着地する。テークバックは内回りの旋回をしていき、トップを作る。左肘を折りたたむようにして旋回をしてから、いきなり腕が出てくる感覚で腕が振れているので、打者からするとかなり打ちにくい投手であろう。肘はしっかりと上げて、肘が立った状態で腕をふることができている。インステップ気味なので、腰が詰まってしまいぐっと体重が乗らない。 彼は出所を見難い状態から如何にして上体を鋭く振って見分けがつきづらい投球フォームにできるかに尽きるだろう。ただボールを隠すだけではなく、始動からフィニッシュまでの一連の動作に無駄がなく、一瞬でボールが出てくるようなフォームで、140キロ近い速球を投げられるようならば、かなり打ちにくい投手に変貌していくのではないだろうか。
更新日時:2013.03.03
将来の可能性
技巧派左腕で、プロ受けする投手ではないが、まだ打撃が仕上がっていない選抜では脅威になる存在だ。体格的なモノは出来上がっているので、トレーニングの成果がしっかりとストレートの球速に反映されて、変化球のキレ、精度を高めて、高校生としてはハイレベルな投球術を確立させてほしい。
更新日時:2013.03.03
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