森本 龍弥選手 (高岡第一)
寸評
2012年度の北信越地区を代表する大型遊撃手・森本 龍弥。雑誌ではあまり知名度の高くない選手ではなかったが、現場では彼の評価がかなり高かったという。だからこそ彼は北海道日本ハムファイターズに2位指名を受けたのだろう。 (打撃) 高校通算33本塁打を放ったスラッガーだが、本塁打連発する打者というよりは広角に打ち返し、長打を放っていく選手。打球速度は超高校級だ。小谷野栄一を目標とするが、小谷野以上のポテンシャルは秘めている。 スタンスはスクエアスタンス。グリップを肩の位置に置いて背筋を伸ばして構えている。グリップ位置は低かったというが、今は高い位置に置いて、水平に持って力みなく構えることができている。構えは非常に良い。 投手の足が着地したところから始動を仕掛けていき、小さく足を上げて真っ直ぐ踏み込んでいく。足上げが小さいのはタイミングを測りやすく、軸がぶれにくいのだろう。トップの動きを見ていくと捕手側方向まで引いていき、しっかりとトップを形成することができている。肩口から振り出し、インパクトまで無駄がなく振り抜く事ができており、弧を描くようなスイング軌道。そしてスイングスピードもかなり速く、捉えた時の打球はかなり速く、スカウトの目を引くような打球を放っている。 また股関節が硬く、膝が割れないと低めを裁くのは難しいが、春季大会の模様を見ると低めの球を捌くことをできている。股関節強化で、柔軟性が生まれ、低めを捌くことができているのだろう。フォロスルーも大きく取って打球を飛ばすことができている。 技術的には大きな欠点は少ない。問題は股関節の柔軟性を高め、低めの球を裁く技術をさらに極めることができるか。高めと内より直球には強そうなので、変化球の見極めを鍛えることになるだろう。 (守備・走塁) 股関節が硬かったという森本。確かに投手をやっている時は下半身が使えず、上半身の強さに頼ったフォームで、股関節が硬いのはすぐに分かった。ただ地道な股関節強化で、だいぶ柔らかくなり、2年秋と3年春と比べるとだいぶ下半身が使えるようになったが、ショートのような機敏さはないが、投手をやっているだけあって、肩はかなり強く、三塁向きの選手といえる。 三塁打のタイムは11秒78。12秒29を満たすタイムを計測しており、脚力は高いものを持っている。彼は春から1番を打つようになったのも、高い出塁率と長打力と俊足を期待されてのことだろう。
更新日時:2013.01.03
将来の可能性
まず打撃のポテンシャルは騒がれるものは持っているし、大きな欠点も少なく、低めの球を裁く技術と下半身の柔軟性を維持することが出来れば、統一球の今の野球においても長打が打てる内野手ではないだろうか。なんといっても185センチ90キロという恵まれた体格をフルに活かす鋭いスイングがパワーの源になっている。 北海道日本ハムファイターズは右の内野手が少なく、彼にとっては大きなチャンスだといえる。1年目から多くの出場機会が与えられることが予想され、3年後の一軍定着を視野に取り組んでいただきたい。高校3年間は自分の課題に向きあってしっかりと取り組んできた姿勢があるので、将来的には小谷野栄一の跡継ぎとなり、それを凌ぐ可能性を持った内野手になっていきそうだ。
更新日時:2013.01.03
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