王者興南が横綱野球で圧巻のコールド発進

興南・大城倖太
<第151回九州地区高校野球沖縄県秋季大会:興南8-1知念(7回コールド)>◇17日◇2回戦◇コザしんきんスタジアム
多くの監督さんから漏れてくる悩みが、コロナによる練習、実戦不足。しかしこと興南に限ってはそんなことはないのかと思うほどに、強くて雄々しい横綱野球で観衆を魅了。3回までの序盤で8安打を集める猛攻を見せ、好チーム知念をコールドで下して3回戦へとコマを進めた。
12安打8得点で7回コールド
興南は初回、トップの大城 倖太が左中間を破る二塁打でいきなり流れをつかむ。久高 学士が四球で歩くと3番野里 悠介が右翼線ギリギリに落ちる安打で無死満塁。4番赤嶺 帆玖人がストレートの押し出し四球で1点と、知念ベンチにとってはどうなることかと心配この上なかっただろう。続く仲松 大稀はセンター前へのフライ。知念の中堅手・中本 有飛が好ダッシュで捕球し、三走の生還を阻止すると、6番平山 航多もライナーとフライの間ほどの高さで三塁線を襲ったが、知念の三塁手・稲福 広大がキャッチしての併殺。何とか最少失点で凌いだ。
だが流れをつかんだ興南はさらにたたみかける。2回、石川 駿介の絶妙な三塁線へのバントヒットと田崎 颯十の右前安打でチャンスを作る。1番大城 倖太はショートフライに斬られたが、久高 学士が左前へ繋ぎ再び満塁。ここで主将・野里 悠介がセンターへ高々と打ち上げ頭上を越える走者一掃の3点タイムリー二塁打で知念先発の金城 倫成をノックアウトした。
3回には左中間を破り、かつ瞬足で三塁打にした平山 航多が、相手の牽制ミスから球が後方に転がる間に1点を加え5対0とリードを広げた。
6回にも大城 倖太と野里 悠介の適時打で3点を挙げた興南。投げては平山 航多からエースナンバーを奪った田崎 颯十が6回1失点。低めへの変化球と、コーナーギリギリを突く抜群の制球力で8奪三振と知念打線を手球にとった。投打で相手を圧倒した興南が、秋2連覇へ向け好スタートを切った。
(取材=當山 雅通)