前原vs豊見城
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前原・新里紹舜選手
<第69回沖縄県高等学校野球春季大会:前原10-4豊見城>◇1日◇準々決勝◇[stadium]アグレスタジアム北谷球場[/stadium]
互角の展開から一気に流れを変えた前原が19年ぶりの春4強
先制したのは前原。2回、2死一、二塁から相手のエラーで得点。直後の3回、豊見城は3番平良元希、4番宜志富結人の連打で1死一、三塁とすると、前原ナインの虚を着く初球スクイズで同点としたがその裏、前原は4番新里紹舜、5番島袋優汰の連続長短打で再びリードした。
6回、豊見城は6番大田昌臣が二塁打を放ち7番宇根和慎の適時打で同点に。犠打で進めて9番仲間楽生が期待に応えるタイムリーで逆転に成功。実力校同士の一戦らしく、どちらに傾き続けるか分からないシーソーゲームの模様だった。
昨年秋から続く強さを見せつけて快勝
そんな均衡したゲームを、秋の大会同様打撃力で豊見城を粉砕した前原の6回裏の攻撃。前原の熱男と言えばこの人、桃原庸介が粘ったフルカウントから右中間突破の三塁打。ここで好機とみた前原ベンチ。
東監督代役の山城先生が代打で送った西野心が左翼線への二塁打で一気に同点。四球と2番山城勇磨の絶妙なバントヒットで満塁とし、3番・目取眞悠月が犠牲フライを上げる。その後相手エラーの間にもう1点を加え4点。8回にも、この日絶好調の4番新里紹舜が2点適時二塁打を放つなど2ケタ10点目をボードに刻み試合を決めた。
投げては右サイドハンドの金城陽が、キレのあるボールで豊見城打線を6回3点に抑えると、リリーフした島袋優汰も3イニング3被安打1失点で凌ぎ勝利。春のベスト4入りは、現ナインが生まれる前となる19年ぶり。
伝統の堅い守りと、技術に秀でる古豪豊見城相手に序盤・中盤と我慢し、終盤相手が戦意を失うかのように一気に突き放すゲーム展開を見せた前原は見事であった。このゲーム翌日の準決勝で沖縄水産に敗れたが、同じように打ち勝って決勝まで上り詰めた昨年秋の準優勝が、全然フロックなんかではないことをこの春で改めて周囲に知らしめた、力強い前原が際立った準々決勝であった。
(取材=當山 雅通)
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