宮古が終盤苦しみながらも逃げ切り三回戦へ進出



宮古・新里

 「コロナウイルスで満足に練習出来ない上に、宮古島では対外試合も出来ない(相手校部員数足らず)。引退した三年生が胸を貸してくれる日々が本当に有難く、貴重な経験。」この秋から宮古高校を率いる平良監督はまず、勝利を得たことに安堵した。「前半は苦しむ。結果(得点)がついて来なくても焦るな。」とナインに言い続けた監督の言葉通り、ゼロゲームが続いていた。

投手戦の均衡を破ったクリーンアップ

 宮古新里 勇人は5回まで、北山打線に二塁を踏ませない完璧なピッチング。一方、北山の名城向も4回まで同じく二塁へ進めさせない互角の投手戦。その均衡が少し動いたのは5回裏。宮古は二死から9番久高がバントヒットで出塁すると、四球とワイルドピッチで二・三塁。しかしここは、名城向が気迫の三振斬りで得点を許さなかった。

 クリーンアップから始まる6回の宮古。3番沖勇作がセカンドへの強い当たりで出塁すると、続く仲間匠哉もレフト前ヒットで続く。そして5番来間陽斗が、ボールになろうかという低めギリギリを巧く捉える。下半身の強さが生んだライト前へのタイムリーで遂に1点がボードに刻まれた。これで波に乗った宮古は6番砂川竜志もセンター奥への大飛球で三走が還り2点を奪った。

141Kmをマークする新里

 味方からの得点に気をよくしないわけがない。7回のマウンドへ向かった新里 勇人は、投げ合いをしてきた4番名城向との対決で141Kmをマーク。ベンチへ帰ってくるナインも「出たぜ141!」と、まるで自分のことのように喜ぶ言葉が出た。ますます乗った宮古はその裏、新里 勇人のライト前ヒットで一・三塁と攻め立てる。2番狩俣新がショートへの内野安打タイムリーで1点目。犠打で進めたのち、4番仲間匠哉がライトの頭上を襲う2点タイムリー二塁打。相手のエラーノ間に三塁を陥れると、ワイルドピッチの間に生還し合計6点目。

 6回と7回で、8安打を集中させる猛攻に、勝負あったと思わせたが、北山ナインも見事な粘りを見せる。

 8回二死から7番松下半蔵がライトへの三塁打を放つと次打者は粘って四球を得る。ベンチが送った代打の山城悟平の打球は、ピッチャーとサードの間の絶妙な位置に転がる内野安打タイムリーで1点を返すと、9回には4番名城向のタイムリーと相手のエラーで2点を奪う。「新里は見ての通りスタミナが足りない。でも今日は最後まで行かせるつもりだった。」と平良監督。新里本人への自覚の促しと、来る冬トレでのスタミナアップ。それら全てが、来年の夏を見据えた采配であり、新里自身がさらに大きくならないと宮古悲願の甲子園は近付かない。2点を返されなおも無死三塁のピンチだった新里勇人だが、最後は12個目の三振と併殺斬りで粘る北山を抑えゲームセット。宮古が苦しみながらも逃げ切りベスト16へとコマを進めた。

(文=當山 雅通