山下 亜文選手 (小松大谷)
寸評
今年の石川県を代表する左腕で、常時130キロ中盤のキレのある速球を打者の懐をえぐる強気の投球が持ち味だ。星稜の対抗馬に挙がる小松大谷だが、止めるには彼の快投が不可欠だろう。 (投球内容) 力で押すかと思えば、変化球を駆使して、抑えるなど、技巧派としての一面をのぞかせており、打ち崩すのは難しい投手だ。 ストレートは常時135キロ前後で、最速では140キロを計測し、なかなか力のある投球を見せていた。ただ力で勝負に行く傾向にあり、力んで高めに浮いて打たれるケースがあり、そのケースが少なくなると、甲子園は近づくだろう。 スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な球種で勝負する左腕で、スライダー、カーブはカウントを整えるために使い、追い込むと、チェンジアップで三振を狙う傾向が目立つ。またここぞという場面で打者の懐をえぐる内角ストレートが持ち味で、新潟明訓戦で見せた右打者の内角へズバッと見せるストレートがあった。実に爽快感があり、このストレートをもっと見せられるようになると、外へ逃げるチェンジアップが寄り生きるだろう。 (投球フォーム) ノーワインドアップから始動し、右足を胸の近くに上げていき、左足の膝を適度に伸ばし、真っ直ぐ立つことができている。右足を一塁方向へ伸ばしていきながら、ややインステップ気味に着地。 それにより開きを抑えようとするが、右腕のグラブを引くのが早く、開き始めがやや早い。テークバックは内回りの旋回をしていきながら、左ひじをしっかりと上げていき、腕を振り出す。しっかりとフィニッシュまで腕を振り切ることができており、最後の体重移動も前足にしっかりと体重が乗っており、腕の振りを阻害せずに終えることができている。
更新日時:2014.06.10
将来の可能性
小柄な投手だが、投手としての基礎の技術は高く、強気で押す度胸の強さも魅力で、なかなか打ち難い技巧派左腕だ。爆発的に実力を伸ばすというよりも少しずつ成長曲線描いて、伸びていく投手ではないだろうか。 卒業後は中央球界でも活躍出来そうで、プロ志望ならば、BCリーグで1年目からそれなりに実績を残せそうな実力は持った投手という印象を受ける。ぜひ最後の夏では躍動した姿を見せてもらいたい。
更新日時:2014.06.10