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新時代の幕開けを予感させた鹿児島!2019年の3大高校野球ニュースを発表!

2019.12.25

1.鹿児島城西、秋の九州で初の4強入り

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八方悠介

 鹿児島城西が秋の第145回九州地区高校野球大会で初の4強入りを果たした。

 鹿児島大会は決勝で鹿児島実に敗れて2位代表で臨んだ九州大会だったが、初戦で佐賀学園(佐賀1位)にコールド勝ち、準々決勝で熊本城北(熊本2位)に完封勝ちし、準決勝に勝ち進んだ。

 準決勝では大分商(大分2位)に先制しながらも逆転負けを喫し、決勝進出は逃したが、来春のセンバツ甲子園出場に大きく前進した。
 来年1月に「吉報」が届けば、春夏通じて初の甲子園出場となる。

 夏からエース格で活躍した八方悠介前野将輝、県下でも屈指の安定感がある2枚看板を擁し、乗田元気長隆稀板敷政吾ら粋のいい1年生野手もいる。元プロ野球選手の佐々木誠監督の就任も話題になった。

 日本代表・大迫勇也を輩出したサッカー部は全国区の強豪だが、来春、野球部も全国の舞台に躍り出ることになるだろう。鹿児島代表は3年連続でセンバツ出場を逃していたが、鹿児島城西が新たな風を巻き起こすことを期待したい。

2.神村学園が抜群の安定感

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神村学園

 春、そして夏の甲子園予選と3年生のチームに関しては神村学園が抜群の安定感を誇った。

 昨秋の新チーム結成以降、県内チームとの公式戦で敗れたのはNHK旗の鹿児島城西戦のみ。夏の甲子園予選は文句なしの第1シードだった。

 初戦から順当に勝ち上がった中で、準々決勝・鹿児島大島戦は9回表まで0対3のビハインド。そこから集中力を発揮し4点を返して見事な逆転サヨナラ勝ちを収めた。

 準決勝・国分中央戦、決勝・鹿屋中央戦、いずれも相手に先制される展開だったが慌てることなく逆転勝ち。選手層の厚さ、投手を中心にした守備をベースに、持ち味の攻撃力も遺憾なく発揮し、101回目の夏の甲子園代表を手にした。

 チームの主力は2年生も多かったが、松尾将太主将、リードオフマンの森口修矢ら3年生のリーダーシップも見事だった。

 甲子園では佐賀北との「九州対決」を制し、2回戦へ。高岡商(富山)には1点差で敗れ、上位進出は逃したが、3点ビハインドの9回表に1点差まで追い上げ、県大会・鹿児島大島戦の逆転劇を彷彿とさせる粘りを見せた。

 エース田中瞬太朗、主砲・桑原秀侍田中大陸ら3年生のチームでも主力を担った2年生が多く残っており、秋も優勝候補の大本命だったが、3回戦で同じ南薩地区のライバル・鹿児島城西に敗れて、センバツ出場の可能性はなくなった。
 来夏の捲土重来に期待したい。

[page_break: 3.大会運営などで様々な改革が]

3.大会運営などで様々な改革が

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鹿児島実業バッテリー

 鹿児島県高野連が大会運営に関していくつかの改革があった。

 夏の県大会ではこれまで準決勝の前日が休養日だったが、準決勝の後、決勝の前日にも休養日が設けられた。

 大船渡佐々木朗希(3年)の登板回避の件で、夏の大会の投手の連投が大きくクローズアップされたが、それに先駆けて鹿児島は連投回避の日程調整に着手した。

 開会式では入場行進の後、全チームが勢ぞろいするまで着席して待機させるなど、選手の体調管理にも気を配っていた。

 夏のシード校はポイント制が導入された。これまで鹿児島の夏は8つのシード校を、抽選会参加校による抽選で決めていた。この夏からは秋、春(センバツも含む)、NHK旗の県大会の実績をもとにポイントを加算し、上位8チームが自動的にシードになる。

 抽選では夏までに実績を残していなくても、過去に実績のある名門校が選ばれることもあるなど、参加校の主観が影響する要素があったが、今後それがなくなる。
 一方で、大会ごとの配点の仕方は今後も見直しが必要であることも明らかになった。

 また秋の大会からは第4、5シードパートで勝ち上がったチームと、第2、7シードパートで勝ち上がったチームの準々決勝の順番が入れ替わった。

 組み合わせの法則に従うと、第4、5シードパートで勝ち上がったチームはベスト16と準々決勝の試合が連戦になっていた。今年の夏では国分中央鹿児島情報が4回戦、準々決勝が連戦だった。

 第1、8シードパート、第3、6シードパートは中1日、第2、7シードパートは中2日での試合になるという不公平感が以前から気になっていた。
 第1、8シートパートと第2、7シードパートの準々決勝を同じ日にすれば、いずれも中1日の試合で平等になる。大きく取り上げられることはなかったが、この秋からそのように改まった。

 来春以降、投手の「1週間500球以下」の投球制限も導入される見通しで、今後は益々「選手ファースト」の運営を工夫していく必要があるだろう。

 これまで公式スコアは手書で、報道各社にはファクスで記録が届けられていたが、この春に鹿児島で開催された九州大会からパソコン入力が導入された。公式記録はメールで届くようになった。
 ペーパーレス、電子化の時代が高校野球にもやってきた。

(文=政 純一郎

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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