メジャーリーガーをヒントに成長の兆し　伸びしろ多い中学生投手に注目

　神奈川を代表するボーイズである横浜泉中央ボーイズは、2022年ベイスターズカップで準優勝に輝くなど、実績を残した。その世代を牽引してきた主力の1人が上石祥平投手だ。

　精密機器・ラプソードでは、最速121キロという数字ではあるが、縦の変化量は35.3センチとプロの平均40センチに負けていない、伸びのある直球を投げ込んでいる。回転効率88.5%の数字が、伸びのある直球を実現させている。

　2年生の時期にフォームを改善した。それまでは身体が突っ込んでしまったり、肘の位置が下がってしまったりと「あまりきれいなフォームではなかった」と自身のなかでも反省点は多かった。ただ、今季からメッツに移籍する千賀 滉大投手（蒲郡高出身）の「くの字ステップ」を参考にしたことが、功を奏した。

　「最終的には自分の投げやすいようにアレンジしましたが、くの字ステップを意識したことで、重心を後ろに残したまま、一気に前へ重心移動できる。足を使って投げるイメージが段々できるようになってきました」

　174センチ、59キロと、身体はまだまだ成長途中。高校で身体づくりができれば、120キロ台の直球も、おのずと球速、回転数が上がってくるだろう。「まだ成長過程なので焦っていません」と長い目で見て、じっくり進んでいく姿勢だ。

　メジャーリーガーを参考に成長のきっかけをつかんだ上石。高校最後の夏に、再びその名を聞くことを楽しみにしたい。