届けコトダマ！被災地区へ応援メッセージ　～4～

まずは今回の大震災に遭われ、尊い命を落とされた皆様に深くお悔やみを申し上げます。また、いまだ避難所での生活を余儀なくされている方々をはじめ、日々の生活に懸命に取り組まれている多くの皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。

そして今回の大震災は「人間は自然の前には無力である」ことも否応なく痛感させられました。毎日の何気ない生活はときに一瞬で失われてしまうことだし、この世の中で生きているこの瞬間は、ことを私たちは決して忘れてはいけません。

高校野球をできていることの幸せ。私も含め、高校野球にかかわる全ての人間はその意味を改めて考えていく必要があると思います。

でも、逆のことを言うようですが、高校球児の皆さんにはそれを重荷には感じてほしくないんです。

そういえば先日、沖縄に３日間の取材に赴いた際、愛媛に帰る直前に訪れたある高校の監督がこんなことを話していました。

「秋や春の大会は負けても反省して次の大会に活かすことができる。でも、３年生の夏は後悔しても次はないんです。だから、子どもたちにはたとえ甲子園に行けなかったとしても、やりきったことを感じて夏を終わってほしい。それがその先の人生にもいきてくると思いますから」。

だから今、野球をできている高校球児の君たちは何も「日本を元気に」とか、考える必要はありません。それは僕たち大人が考えればいいこと。今は後悔のないように、ベストのコンディションで日々の練習ができるように生活を整え、１つのボールを追い、１球に、1スイングに全力を込めてください。それが試合で人の心を動かす力につながることは、僕ら大人が何よりも知っています。

そして今、野球ができない状況にある球児のみなさん。今は本当に何もできなくて申し訳ありません。みなさんの気持ちを全て受け止めることはとてもできないけれど、ほんの少しだけでも、皆さんに笑顔を取り戻してもらえるように、そして大好きな野球が一日でも早くできるように、私は文章の上だけでなく、行動で示していくことをここに約束します。

今は辛いことも多いけれど、「後悔をしないように」一緒に進んでいきましょう。

非災された東北の皆様、私も神戸、福岡で震災した者です。謙虚な気持ちを忘れずこの甲子園で日本のため
東北のために頑張って下さい。