エネルギー切れを防ぐ
柑橘類のドライフルーツなども食べやすく補食におすすめ
野球の試合はおよそ2時間ほどあり、場合によってはそれ以上長くなるときがあります。運動に必要なエネルギー源は試合前に摂っておくようにしますが、「試合前にご飯を食べると、体が重く感じる…」という選手も中にはいます。このような場合はどのようにエネルギー源を確保すれば良いでしょうか。
●朝食は消化吸収に良いものを
試合当日の朝食は消化吸収の良いものを中心にとるようにします。なるべく食べ慣れたものを準備するようにしましょう。糖質(炭水化物)を中心にご飯(もしくは小分けにしたおにぎり)と味噌汁、卵料理(目玉焼き、ゆで卵、卵焼きなど、準備しやすいものでOK)、サラダなどの野菜類、バナナなどの果物などをそろえておきます。パン食であればご飯と味噌汁の代わりにパン、スープ(インスタントでもOK)に置き換えることでも問題ありません。
そして試合はプレッシャーなどから緊張することも考えられます。あまり食欲がわかない場合は、試合前や試合中に補食を摂ることを想定して、やや軽めの朝食でも構いません。食べやすいうどんや雑炊、パンと野菜ジュースなど糖質をメインとし、余裕があれば他の栄養素も考慮しましょう。食べやすさとともに水分補給のことを考えると、味噌汁やスープ類をうまく活用できるといいですね。
●補食は「一口サイズ」を基本にこまめにとる
試合が近づくにつれてバナナや、ドライフルーツ、ゼリー飲料など朝食よりもさらに食べやすく消化吸収の良いものを選ぶようにします。こうした食べものは食べやすく、お腹にたまらないというメリットがある一方で、体に取り込まれてエネルギー源としてすみやかに消費されるため、途中でエネルギー切れを起こす可能性があります。試合前だけではなく、試合中などにもタイミングを見て補食をとるようにすると良いでしょう。試合中にとる補食の基本は「一口サイズ」で「手軽」にとれるもの。水分補給を兼ねて糖質が含まれたスポーツドリンクなどもうまく活用しましょう。
エネルギー源のメインとなる糖質は体に多く貯めておくことができないという特徴があります。試合中にエネルギー切れを起こしてパフォーマンスの低下を招かないためにも、自分の食べやすいものを事前に準備してこまめに摂ることを心がけましょう。
文:西村 典子
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