腰痛時に確認したい筋肉の柔軟性
皆さんの中には腰に痛みや違和感がありながらもプレーを続けた経験があるかもしれません。腰痛を引き起こす要因を断定することはむずかしく、また個人個人によっても違いがあるため、まずは器質的な要因(たとえば骨、筋肉、靱帯などの損傷といった解剖学的に明らかなもの)があるかどうかを医療機関で診てもらうようにしましょう。この場合はまず整形外科を受診し、レントゲンなどの検査を受けるようにします(治療院・整骨院に行く場合は医師に診てもらった上で、その内容を治療院の先生に伝えるようにしましょう)。
器質的な問題がない場合の多くは体のコンディションを改善することで、腰痛をやわらげることが期待できます。まずは股関節周辺部の3つの筋肉にアプローチしてみましょう。
1)太ももの付け根にある腸腰筋
器質的に問題がないことを確認し、3つの筋肉にアプローチしてみよう
腸腰筋は骨盤と脊柱をつなぐ筋肉で、太ももの付け根に位置しています。この筋肉が硬くなると反り腰ぎみになり、主に後屈時に腰の痛みや張りが強くなります。足を持って股関節の付け根を伸ばすようにストレッチを行ってみましょう。寝転がった状態よりも、横向きになった状態の方がより腸腰筋にアプローチしやすいと思います。
2)お尻の外側にある中臀筋
中臀筋はお尻の外側に位置し、主に足を横方向に動かす股関節外転筋です。ここが硬くなると特に片足での安定性が低下し、バランスを崩して腰椎に負担がかかりやすくなります。硬くなりやすい筋肉なので、お尻を少し横に突き出した状態で体を突き出した方向とは逆に側屈させるようにしたり、ストレッチポールやテニスボールを使ってお尻の外側をほぐすようにしてみましょう。
3)お尻の深層部にある梨状筋
梨状筋(りじょうきん)はお尻の表面ではなく深層部に位置し、脊柱の最下部にある仙骨と大腿骨をつなぐ股関節外旋筋です。この筋肉が硬くなると梨状筋の下にある坐骨神経を圧迫して太ももから足にかけて痺れたり、痛みを伴ったりすることがあります(梨状筋症候群)。梨状筋のストレッチ方法はいろいろありますが、図のよう片膝立ちをした状態から前側の足を外側に倒し、曲げた方のお尻を伸ばす方法や四つんばいの状態から足を後方でクロスさせて伸ばす方法があります(動画リンク参照)。
参考動画)自宅でも出来る腰痛を防ぐおしり周りのストレッチを紹介!
文:西村 典子
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