炭酸飲料は体に悪いのか
炭酸飲料は適量を守って、コンディションづくりに役立てよう
爽快な飲み応えのある炭酸飲料などは何となく「体に良くなさそう」「アスリートは摂ってはいけないもの」というイメージを持たれがちですが、皆さんは普段どのくらい炭酸飲料を飲む機会があるでしょうか。体に良くないと考えられている理由を挙げてみます。
1)糖分を摂りすぎるから
2)炭酸飲料を飲むとお腹がふくれて食事に影響するから
3)炭酸飲料はエンプティーカロリー食品(必要な栄養素がほとんど含まれず、カロリーのみ高い食品のこと)だから
糖分の摂りすぎについては、もともと炭酸飲料には多くの糖分が含まれるため、自分が思うよりも多くの糖分を摂りがちであるというもの。たとえばコーラ350mlの中に含まれる糖分は約39gであり、これは角砂糖9~10個分の糖分に相当します。さらに冷たい飲み物は温かい飲み物よりも甘さを感じにくく、炭酸の刺激によって舌の感覚も鈍ってしまうといわれています。炭酸飲料を習慣的に飲み続けていると、ペットボトル症候群(急性糖尿病)と呼ばれる深刻な病気へのリスクが高まるほか、カルシウムの吸収を阻害するリンの影響も懸念されます。また食事前に炭酸飲料を大量に飲んでしまうと、食事量が減って体に必要な栄養素が十分に摂取できないのではといった問題もあります。
一方で糖質を含まない無糖の炭酸水は、血管を拡張させて血流量を増やし、疲労物質の代謝・分解のサイクルがより早く進むことや、ケガをして組織が再生されるために必要な栄養素や酸素がより多く送り込まれることなど、さまざまなメリットが指摘されています。過剰に飲みすぎるとお腹がふくれて食事に影響を及ぼしますが、食前にコップ1~2杯程度を飲むと食欲を促し、胃腸の運動を活発にすることによって便秘の改善などにもつながると考えられています。糖分を含む炭酸飲料についても、運動後のエネルギー補給など、飲むタイミングや飲む量などによっては疲労回復の促進やリフレッシュ効果が期待できます。毎日飲むこと、習慣になってしまうことは避け、たまの気分転換やご褒美代わりに飲むことを心がけましょう。
文:西村 典子
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