秋の味覚と乾物(干し食品)
干し芋で長く持続するエネルギー源を補給しよう
皆さんは練習や試合前の補食としてどのようなものをとっていますか。補食は食べるタイミングや目的などによって使い分けられるようにすることが理想的ですが、毎回複数の補食を準備するのはむずかしい面もあります。特にグラウンドでは「傷みにくい」「手軽」に準備できるものが良いですよね。今回は持ち歩きしやすく、手軽ながらも補食として活用しやすい乾物(干し食品)をご紹介します。
●干し芋は持続するエネルギー源
体を動かすエネルギー源を補うものは糖質を含む食材です。サツマイモを干して作られた干し芋は糖質が多く、脂質は少ないため、補食として利用したいものの一つです。また食物繊維を多く含むために糖質の消化吸収がゆるやかであることも知られており、一度食べると長く持続するエネルギー源としても注目されています。運動時には発汗によってミネラル分が失われますが、ミネラル分の一つであるカリウムが不足すると筋力の低下や筋肉のけいれんなどを起こしやすいと考えられています。干し芋はカリウム、銅といったミネラル分を豊富に含むため、筋肉のけいれん予防にも効果が期待できます。ただし干し芋は食べすぎると食物繊維の影響でガスが出やすくなったり、腸の蠕動(ぜんどう)運動が促されて便意を催しやすくなったりすることがあります。またカロリーが高いため、食事に影響しないよう配慮することも必要です。
《干し芋の栄養成分100gあたり》
・エネルギー 303kcal
・脂質 0.6g
・タンパク質 3.1g
・炭水化物(糖質+食物繊維) 71.9g
●少量で効率よく栄養分を摂取できる干し柿
干し柿もまた補食として活用しやすい食品です。生の果物は洗ったり、皮を向いたりといった一手間が必要になりますが、水分をとばして干した状態にしたものは傷みにくく、長期保存が可能になります。補食として必要なエネルギー源は100gあたり276kcal(干し柿およそ2.5個分)。生の柿では100gあたり60kcalであることを考えるとエネルギー源は約4倍であり、体を動かすエネルギー源を少ない量で効率よくとることができます。また干し芋同様に筋肉のけいれんを防ぐカリウムが多く含まれるため、運動前に食べておくと良いでしょう。一方で干し柿はビタミンCや水分の補給としては生の柿に劣るため、自宅で食事をとるときの果物としてフレッシュな柿を、グラウンドでの補食としては干し柿を、というように上手に使い分けられると良いですね。
《干し柿の栄養成分100gあたり》
・エネルギー 276kcal
・脂質 1.7g
・タンパク質 1.5g
・炭水化物(糖質+食物繊維) 71.3g
参考サイト カロリーSlim
文:西村 典子
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