数字でコンディションを把握する
レベルアップのためには練習とともに栄養、休養にも意識をもって取り組もう。
皆さんはいつも自分の調子をどのように判断していますか。ウォームアップを始めたときに「体が軽く感じる」「何となく体が重い」といったことで気づくのではないでしょうか。ではなぜ「今日調子がいいのか」という理由についてはよくわからないことも多いと思います。良いコンディションを維持するためには自分でキーポイントとなる数字を把握しておくと、練習を参加する上で参考になると思います。自分自身で手軽にできるコンディションチェックをいくつかご紹介します。
●起床時の脈拍(心拍数)
体力的な疲労が回復しているかどうかを確認する数字として起床時の脈拍が挙げられます。平常時の脈拍と比較しておくために、日頃から脈拍を測定しておきましょう。今はスマホの無料アプリで簡単に計測できるものもあります(カメラに指を置くとセンサーが感知して脈拍を測定する)。もしくは10秒間脈拍を測定して6倍にする簡易的な方法でも良いでしょう。脈拍はオーバートレーニングの指標として用いられ、普段よりも速い状態が数日間から数週間続くとオーバートレーニング症候群を疑うことになります。脈拍が高い状態が続くようであれば練習内容の見直しなどを検討しましょう。
●体重測定
体調を管理する上で把握しておきたい代表的な数字が体重です。これはトレーニングの指標としても参考になるものですが、特に夏の暑い時期では汗をかいて体重が減少してしまうため、水分・ミネラル分補給がうまく出来ているかの判断にもなります。練習前後で体重を測定し、練習前の体重に比べて練習後の体重が2%以上減少しないように、こまめに水分・ミネラル分補給を行うことが大切です。たとえば練習前に60kgの選手であれば、練習後の測定で58.8kg以上よりも減っていたら体内の水分が足りなくなっている可能性が高いと考えられます。また疲労が積み重なることによって見られるオーバートレーニング症候群では、著しい体重の減少が見られるようになります。
●主観的疲労度を10段階で評価する
野球ノートなどに今日の反省を書いている選手は、体の状態についても数字で現しておきましょう。一番状態がいい時を10、疲労度MAXの時は1として、自己判断で評価します。これを記入するときは毎日同じタイミングにしましょう。練習ノートを書いているときであればその時間、朝起きたときの調子を確認したいのであれば朝の時間、といった具合です。スマホのメモアプリなどに残しておくだけでも良いでしょう。疲労度が高く、コンディションが良くないと感じる時は十分な睡眠を取る、バランスの良い食事を心がけるといったアスリートの基本的な習慣を思い出して実践してみてくださいね。
文:西村 典子
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