活性酸素という言葉を聞いたことがありますか? これは呼吸によって取り込まれた酸素の一部(文献にもよりますが0.1〜2%程度)が殺菌、解毒といった目的のために体内で毒性の強いものに変化したものを指します。私たちの体は活性酸素の働きによってウイルスなど外的な侵入物から守られていますが、一方で活性酸素は必要以上に体内にあると侵入物だけではなく、自分自身の細胞まで傷つけてしまうことが知られています。

 活性酸素はもともと体内に存在するものであり、免疫機能や酵素の働きを促す機能をもっています。しかしこれが過剰に増えてしまうと細胞を酸化させ傷つけるようになります。細胞が酸化すると体内の組織が衰え、皮膚であればシミやしわが増えてしまう、体力面では息切れをしやすくなるといったことが見られ、体の老化現象を加速させます。

 特に野球選手は激しい運動による呼吸機会の増加や、自然環境によるもの(紫外線、放射線など)、環境汚染によるもの(排気ガス、大気汚染など)、利便性による化学物質の増加(食品添加物、農薬など)、そして生活習慣によるもの(ストレスや睡眠不足など)とさまざまな要因によって、活性酸素にさらされる機会が多くなると考えられます。

 活性酸素による体の酸化を防ぐ「サビ止め」機能として、よく知られているものが抗酸化物質です。抗酸化物質は大きく3つに分類することができます。

1)体内で合成される酵素(こうそ)
2)ビタミン
3)ポリフェノール

 酵素をつくり出すもととなるものはタンパク質なので、食事の中でタンパク質をしっかりとることは体づくりだけではなく、抗酸化物質を増やすという意味でも大切です。ビタミンは特にビタミンA(レバー、うなぎ、緑黄色野菜など)を中心に。抗酸化作用をもつビタミンCは、疲労回復や抗炎症作用などアスリートにとっては必要不可欠なものといえるでしょう。ビタミンE(植物油、ナッツ類、たらこなどの魚卵類等)なども体が錆びるのを防ぐ「サビ止め」効果が期待できます。ポリフェノールは多くの植物に存在する苦味や色素成分のこと。強い抗酸化作用をもつため、ポリフェノールを含むもの(たとえばカテキンが含まれている緑茶、アントシアニンが含まれているブルーベリーなど)も意識してとるようにすると良いでしょう。

 活性酸素は体に必要なものですが、過剰に増えると体を傷めてしまうことがあります。ストレスなどを抱えることも活性酸素を増やす要因となるため、心身のリフレッシュをはかり、練習と栄養、休養のバランスをとりながら規則正しい生活をとるようにしましょう。

文:西村 典子
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