体を一回り大きくしてパワーアップをはかりたいと考える選手は多いと思います。練習やトレーニングに励み、筋肉のもととなるタンパク質を摂取し、十分な睡眠で成長ホルモンを促す…。アスリートのお手本のような日常生活を送っているのに「思ったように体が大きくならない」という場合、どこに原因があるのかを考えて改善していくことが大切です。ところで皆さんは筋肉のもととなるタンパク質をどうやって摂取しているでしょうか。スポーツ栄養学的には食事を中心にして、不足部分をプロテインなどで補うことが勧められますが、このタンパク質源は三食バランス良く摂ることが大切なのです。

 体を動かすためには糖質を中心としたエネルギー源が必要となりますが、糖質や脂質などが不足し、タンパク質を分解してエネルギー源に変えなければならない時があります。このことを専門用語で「カタボリック」と言います。一方、食事などでタンパク質を摂取し、タンパク質の構成分子であるアミノ酸の血中濃度が高まると筋肉ではタンパク質の合成が行われます。これを「アナボリック」と言います。筋肉は一日の中でカタボリックとアナボリックを繰り返すのですが、特に筋肉が分解されるカタボリック状態の影響を少なくするためにはタイミング良くタンパク質を摂ることが必要です。特に起床したばかりの体はどうしてもカタボリックに傾きがち。ここでパンとコーヒー、ご飯と味噌汁に納豆といった簡単な朝食で済ませてしまうと、体に必要なタンパク質が不足し、十分な筋肉の合成が見込めないということにもつながります。

 朝食で手軽にとることのできるタンパク質源を手のひら片手分を参考にして考えてみましょう。肉や魚介類では重量のおよそ1/5~1/6程度がタンパク質といわれています。片手にのせられる肉100g、魚介類100gあたり約16~20gの摂取、卵は1個につき約7g、牛乳や豆乳はコップ1杯(約200ml)につき約6~7gのタンパク質が見込めます。また高タンパク質のギリシャヨーグルト(1カップあたりタンパク質10g前後)やツナ缶やサバ缶などの缶詰を上手に活用することも良いですね。

 体づくりのためにハードなトレーニングを行っても、筋肉のもととなるタンパク質がタイミング良く体に供給されないと、筋肉の合成がうまく進まないことも考えられます。アスリートは体重(kg)×2あたりの量(g)を目安とし、これを三食にバランス良くわけて摂ることを心がけましょう。

参考書籍)眠れなくなるほど面白いたんぱく質の話/藤田 聡監修/日本文芸社

文:西村 典子
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