練習や試合のとき、補食の一つとしてスライスしたレモンのハチミツ漬けを食べたことがあるという選手もいるのではないでしょうか。レモンに含まれるビタミンCやクエン酸とハチミツに含まれる糖質で、エネルギー補給や体のコンディション調整を期待して準備されたものと思います。中でもハチミツはどのような栄養素が含まれていて、スポーツの場面ではどのような効果が期待できるのでしょうか。

●ハチミツの栄養素
ハチミツは「果糖(フルクトース)」と「ブドウ糖(グルコース)」といういう異なる糖質を持っていますが、そのどちらも分子1つでできている単糖類です。最小単位の分子であるため、これ以上分解・消化する必要がなく、吸収に時間がかからないことが特徴として挙げられます。試合前などエネルギー補給として糖質を含むものを食べることがあると思いますが(たとえばおにぎり、パン、バナナなど)、ハチミツはこれらの糖質よりもよりすみやかに体内に吸収されるため、試合直前や試合中のエネルギー補給にも適しています。またビタミンB1、B2をはじめ、アミノ酸やミネラル分も多く含むため、栄養バランスの改善にもつながります。朝食時に食パンをそのまま食べるのではなく、ハチミツを塗るだけでも栄養の偏りが少なくなるといった具合です。

●砂糖よりもカロリーは少ない
ハチミツの甘さを考えるとカロリーが高いように感じますが、砂糖よりもカロリーが低く抑えられています(ハチミツ100gあたり約294kcal、砂糖100gあたり約387kcal。いずれも日本食品標準成分表2020年版より)。また精製された白砂糖はビタミン・ミネラル分がほとんど含まれないエンプティーカロリー(カロリーばかりが多く、体に必要な栄養素をほとんど含まない)と呼ばれています。お菓子や甘いジュースなどの摂りすぎが問題になるのは単に太りやすいというだけではなく、栄養バランスが偏り、コンディションを崩す一因ともなりやすいからと考えられます。その点、ハチミツは糖質だけではなくさまざまな栄養素を含むので、補食をはじめ甘いものが欲しくなったときの間食としても重宝できそうです。

 運動前後での素早いエネルギー補給や、食事での栄養バランスを整える上でも、ハチミツを上手に活用していきたいですね。

文:西村 典子
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