トレーニングは目的を明確にした上で取り組むことが大切です。ただ単に重いものを挙げるだけことだけではなく、体のバランスを整えたり、不足している筋力を補ったりすることもまた、ケガ予防やパフォーマンスアップには欠かせないトレーニングと言えるでしょう。そして何より野球に活かすためには、トレーニング中に想定されるアクシデントによるケガを防ぐことも大切です。今回はトレーニング中に起こりやすいケガを3つ挙げてみます。

●重量が体力にあっていない(高負荷)ために起こるケガ
トレーニングでは漸進性(ぜんしんせい)の原則 を守ることが大切です。これは「ゆっくり、少しずつ」トレーニングの負荷を上げることを指し、いきなり高負荷にチャレンジしてしまうと逆にケガの要因となりやすいと考えられます。スクワットやデッドリフトなどで重いものを挙げようとして腰が反りすぎたり、丸まったりして腰椎に過度なストレスがかかり「ぎっくり腰(急性腰痛症)」のような痛みを覚えるケースも少なくありません。高負荷のベンチプレスでは手首や肩、肘などを傷めるリスクもあります。少しずつ体力にあわせて負荷を上げること、今まで経験したことのない重量にチャレンジするときは必ず補助者をつけることなどが必要です。

●ダンベルやバーベルなどによる骨折、腰痛
高重量のトレーニングを行うとついダンベルやバーベルなどをその場で放してしまい、床に落としてしまうことがあります。床が傷つくだけではなく、用具そのものも落下によってゆがんだり、凹んだりすることがあるため取扱いには十分注意しましょう。また床や用具だけではなく、足元などに落としてしまうと足指の骨折といった危険性もあります。近くに人がいないかを確認し、なるべくゆっくりと地面置くことのできる重量で行うようにしましょう(もしくは補助者を必ずつける)。

 一方、床に置いてあるダンベルを持ち上げるときも注意が必要です。腰を丸めて不用意に持ち上げると「ぎっくり腰」のような腰痛を引き起こすことがあります。重いものを持ち上げるときは背中を丸めた状態ではなく、体の近くに寄せ、膝を曲げてから持ち上げるようにしましょう。

●ラックでの指の挟み込み
スクワットラックやダンベルラック(ダンベルを置く棚)などにダンベルやバーベルなどを元の位置に戻すとき、指を挟み込まないように注意しながらゆっくりと置くようにしましょう。エクササイズのセッションが終わったときは筋力的な疲労によって、普段なら問題なく扱える重量でも思いのほか重く感じることがあります。あわててラックに戻す際に指を挟み込んでしまうと裂傷のほか、爪の損傷や手指の骨折なども起こることがあります。使った用具を元に戻すまで気を抜くことなく、丁寧に扱うようにしましょう。

文:西村 典子
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