野球の練習では反復動作を行いながら、フォームを身につけたり、同じ動作を再現性高くできたりするように行うものが多く、「投げこみ」「振りこみ」「走りこみ」といった練習量を重視するものは、特定の部位に大きな負担がかかりやすい傾向にあります。この中でも骨に物理的ストレス(=衝撃)が繰り返しかかることによって起こりやすいのが疲労骨折です。

 疲労骨折は練習量と体力の関係だけではなく、普段の食事から得られる栄養によっても大きく左右されます。「骨折=カルシウムが必要」と考える人は多いと思いますが、カルシウムだけではなくさまざまな栄養素が必要になります。

●十分なタンパク質が必要
骨の主な材料は、カルシウムとコラーゲン(タンパク質)です。骨を建物に例えると、鉄筋部分はコラーゲンでできていて、それを覆うセメント部分がカルシウムと考えるとわかりやすいと思います。また骨は古い骨を壊して新しい骨をつくるサイクルを繰り返しています。ここで骨の材料となるタンパク質を食事からしっかりとるようにしましょう。

●骨の石灰化を促すビタミンD
ビタミンDは骨の石灰化とカルシウムの調節に関与する栄養素で、食事から摂取するほかにも適度な日光浴によって体内で合成されることが知られています。野球は屋外スポーツのため、ビタミンDが不足することは少ないと考えられますが、極端に偏った食事やリハビリなどで屋外で過ごす時間が長くなるとビタミンD不足になるリスクがあります。魚類にはビタミンDを含むものが多いので覚えておきましょう(鮭、サンマ、ぶり、しらす干し等)。

●カルシウムを効率よくとる
日本人の多くはカルシウムの必要摂取量に満たない食生活を送っていると言われていますが、その一因としてカルシウムは体への吸収率が低いことが挙げられます。吸収率が比較的よいといわれる牛乳・乳製品で約40%、小魚で約30%、カルシウムを豊富に含む小松菜や水菜、チンゲンサイといった青菜で約20%と言われており、ビタミンDとあわせて意識的にとることが疲労骨折を防ぐ栄養のポイントと言えるでしょう。また缶詰の魚は手軽にカルシウムが摂取できるので、ぜひ積極的に活用してみてくださいね。

文:西村 典子
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